解説
韓国人によるベトナム戦争映画。同盟国のアメリカのために一万人余の兵士を派兵した韓国の、その後の苦悩を描く。一九九二年東京国際映画祭のグランプリ・最優秀監督賞を受賞した。また、アン・ジュンヒョの同名小説は、米国ですでに発売されていて、ニューヨーク・タイムスなどでは高い評価を得ている。監督は「南部軍」のチョン・ジョン。製作はクク・ジョンナム。脚本は監督を含めたコン・スヨン、チョウ・ヨンチェル、シム・スンボなど。撮影はユ・ヨンギル。
ユーザーレビュー
「ホワイト・バッジ」のストーリー
韓国朴大統領暗殺のニュースが報じられていたころ、ハン・キジュ(アン・ソンギ)は、ベトナム参戦の体験を元にした小説を書こうとしていた。しかし、戦争の記憶を掘り起こすことは、想像以上につらいことであり、何日も筆の進まない日が続くのであった。そんな時、かつての戦友、ピョン・ジンス(イ・ギョンヨン)から連絡を受ける。久しぶりに会った旧友は、精神的に破綻していた。そんな彼を見ながら、ハンは戦時中の日々を克明に思い出していく。外貨を稼ぐために出向いた兵士たちの姿や、普通の若者であった彼らが、実際の戦いで次第にベトコンと農民の区別もつかなくなり、精神的におかしくなっていくようすなど、それはまさに地獄絵であった。ピョンの精神的破綻も、そんな悲惨な戦争の背景と、それを命じた上官への憎しみから来ていた。ハンの記憶は、終戦とともに途絶える。外では民主化運動がデモに攻撃されていた。それを見たピョンは、自分がいま、ベトナムにいるのか、韓国にいるのか区別がつかなくなる。ハンは、友人の記憶の中にあるベトナム戦争を、彼を殺すことによって終わらせてやる。
「ホワイト・バッジ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ホワイト・バッジ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 戦争 |
製作国 | 韓国 |
製作年 | 1992 |
公開年月日 | 1993年6月12日 |
上映時間 | 125分 |
製作会社 | 第一映画 |
配給 | 東映 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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