解説
一八世紀に旧東ドイツのドレスデン近郊のマイセン市で生まれた純白の名陶磁器“マイセン”に魅せられた男の人生を描く人間ドラマ。監督はオランダ出身で、テレビ・ドキュメンタリー作家として活躍し、ヴェルテー・ヘルツォーク監督の「フィツカラルド」を製作したジョルジュ・シュルイツァー。製作はジョン・ゴールドシュミット。エグゼクセィヴ・プロデューサーはウィリアム・サージェントとゴールドシュミット。イギリスの作家ブルース・チャトウィンの原作小説(文藝春秋・刊)をもとに、ヒュー・ホワイトモアが脚本を執筆。撮影はジェラルド・ヴァンデンバーグ。音楽は「ハモンハモン」のニコラ・ピオヴァーニが担当。主演は本作で、九二年ベルリン国際映画祭主演男優賞を受賞した「ナイト・オン・ザ・プラネット」のアーミン・ミューラー・スタール。他に「ホーム・アローン2」のブレンダ・フリッカー、「ローカル・ヒーロー 夢に生きた男」のピーター・リガートらが共演。
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「マイセン幻影」のストーリー
一九八〇年、オークション会場で、マイセンの人形を競り合った縁で、プラハに住む初老の男、カスパー・ウッツ(アーミン・ミューラー・スタール)とニューヨークの古美術商マリウス・フィッシャー(ピーター・リガート)は知り合った。フィッシャーは、ウッツのマイセンへの情熱を思い知らされ、いつかウッツのコレクションを見に行くと約束し、二人は別れた。ウッツはドイツ生まれのユダヤ人男爵で、今は献身的なメイドのマルタ(ブレッダ・フリッカー)とともに、小さなアパートに住んでいる。彼は五歳の時、祖母の住む城でケンドラー作のピエロのマイセン人形と出会い、その美しさに魅せられ続けてきた。八九年、ウッツは心臓発作で倒れ、彼の長年の友人であるオーリック博士(ポール・スコフィールド)からフィッシャーは知らせを受ける。オーリックは今ならウッツは自分のコレクションを売る気になるかもしれないと話す……。八五年、フィッシャーはウッツのコレクションを見るために、プラハを訪れた。彼はウッツに国立博物館所属の学者で家バエの収集家のオーリック博士を紹介される。フィッシャーはウッツの家で、千点ものマイセンのコレクションを見せられる。だが、そのすべてのコレクションひとつひとつに、国立博物館のラベルが貼られていた。ウッツはフィッシャーに、虐げられたプラハの人々を象徴する寓話を話し、国から監視されていることも打ち明けた。フィッシャーはジュネーヴへの移住を勧めるが、ウッツはコレクションを捨てることはできないと答えた。……そして八九年、プラハまで飛んできたフィッシャーは、一足遅くウッツの死を知らされる。アパートのコレクションの数々は、マルタとともに跡形もなく消えてしまっていた。……実はマイセン人形たちは、ウッツが死ぬ間際にマルタに頼み、粉々に壊されてしまったのだった。ウッツは最愛のコレクションとともに、天に召されたのだった。
「マイセン幻影」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「マイセン幻影」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | イギリス イタリア ドイツ |
製作年 | 1992 |
公開年月日 | 1993年8月28日 |
製作会社 | ビバ・ピクチャーズ=BBCフィルムズ=アカデミー・ピクチャーズ=NDR |
配給 | ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画 |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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