解説
ニンフォマニア=淫乱症の女をめぐるセクシャルなスクリューボール・コメディ。監督・脚本は「キカ」のペドロ・アルモドバルで、タブーに縛られず、さまざまな形態の性を描き常に話題を呼ぶ彼の初期作品。当時の常連スタッフが参加。撮影は「バチ当たり修道院の最期」「欲望の法則」などで彼と組んだアンヘル・ルイス・フェルナンデス、音楽はアルモドバルの盟友ベルナルド・ボネッツィ、編集はホセ・サルセド、美術はアンドレス・サンタナ、録音はマルチン・ムリェーがそれぞれ担当。出演は「バチ当たり修道院の最期」などアルモドバルの初期作品の常連セシリア・ロス、『カミーラ』のイマノル・アリアス、本作がデビュー作となった「愛よりも非情」のアントニオ・バンデラスのほか、エルガ・リネ、フェルナルド・ビバンコ、マルタ・フェルナンデス・ムロ、オェリア・アンジェリカなど。監督アルモドバル自身も、自身のロック(?)・バンド“アルモドバルとマクナマラ”で出演、挿入歌『Suck it to Me』『Gran Ganga』を歌っている。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
調べたら、製作が1982年で、あの「バチ当たり修道院の最期」の1本前の映画で、彼の2品目の映画との事。日本公開が1995年なので、「バチ当たり修道院の最期」や「神経衰弱ぎりぎりの女たち」が日本で紹介された後に公開されている。まあ、名前が売れていないと、しかもスペイン映画なので公開しないわな。
まあ、彼の初期作品らしい変態映画である。そういう所好き。だけど、映画としてはまだ未熟かなあ。まず、登場人物が多くて、顔もわからないので、話がどうなっているのか理解するのに大変だ。もうちょっと話や登場人物を整理できたのではないか。彼の変態性がより磨かれるには、「バチ当たり修道院の最期」や「神経衰弱ぎりぎりの女たち」まで待ってください。最近は大監督になっているので、こんな変な映画には会えません。
映画の中で、なんか観たことある顔があるなあ、と、名前がなかなか出てこなかったが、若い頃のアントニオ・バンデラスでした。ゲイの役で出ているんだけど、彼は「フィラデルフィア」でもゲイの役を演じていました。主役をやるようになったのは「デスペラード」辺りからか。そして、スペインに戻ってアルモドバルの「ペイン・アンド・グローリー」でカンヌの男優賞取っているんだから。年月を感じるよね。
「セクシリア」のストーリー
欲望と情熱が渦巻く街、スペインはマドリッド。ロックバンドのメンバーにしてニンフォマニア=淫乱症の女、セクシリア(セシリア・ロス)は、知的でハンサムなくせにセックスは嫌いな、人工受精の権威、ドクター・ペニャ(フェルナルド・ビバンコ)を父に持つ。ある日、そんな父のもとに国乱の国家ティラン国の元皇后で陰謀をめぐらす美貌の女トラヤ(ヘルガ・リネ)が相談に訪れる。一方、マドリッド亡命中の同国の皇太子リサ(イマノル・アリアス)はゲイ、変装してジョニーと名乗り恋人探しの毎晩。その恋人の中には偶然、ティラン国の反皇帝派にして彼の誘拐をもくろむ男サデック(アントニオ・バンデラス)がいた。ある夜、セクシリアはクラブ・カロリナでバンドに飛び入りしたリサに会い、彼の元へ走る。一方、皇帝の精液を入手する計画が頓挫したトラヤと、リサ誘拐を実行した反皇帝派が彼に迫る。しかし、セクシリアは友人で父のレイプに毎夜悩むケティ(マルタ・フェルナンデス・ムロ)の助けを借りて奇想天外の脱出計画を図るのだった。
「セクシリア」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「セクシリア」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | コメディ |
製作国 | スペイン |
製作年 | 1982 |
公開年月日 | 1995年10月7日 |
上映時間 | 99分 |
製作会社 | アルファビル |
配給 | クレストインターナショナル |
レイティング | R-15 |
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