解説
生と死の境界を映画技術の可能性の中で追求しようとする作品。ヘンリー・ジェームズの原作「ネジの回転」を「ティファニーで朝食を」のトルーマン・カポーティとウィリアム・アーチボルドが脚色、「年上の女」のジャック・クレイトンが監督、製作した。撮影は「息子と恋人」のフレディ・フランシス、音楽は「ノートルダムのせむし男(1957)」のジョルジュ・オーリック。出演者は、デボラ・カー、マイケル・レッドグレイブ、パメラ・フランクリン、マーティン・スティーブンスなど。
ユーザーレビュー
「回転」のストーリー
ミス・ギデンス(デボラ・カー)がブライハウスにやって来たのはそこに住む幼いマイルス(マーティン・スティーブンス)とフロラ(パメラ・フランクリン)の兄妹の家庭教師となるためだった。ブライハウスは古い屋敷で、兄妹は家庭教師のグロース夫人と生活していた。ある日庭で家の塔を見ていたギデンスは、見知らぬ男が彼女を見下ろしているのに気づいて恐怖に襲われた。彼女はすぐ塔への階段をかけ上ったが、塔の上にはマイルスがいるだけで男の影もなかった。数日後の夕方、突然いなくなったフロラを探し、ギデンスが池の端に行くと草むらの中に雨に濡れた黒衣の女が立っていた。その頃からギデンスは夜ごと、邸内を覆うささやき声に悩まされ、兄妹の行動に割り切れぬものがあることに気づいた。耐えかねたギデンスは、グロース夫人に真実を教えてくれと問いただした。グロース夫人の言葉によると、黒衣の女はギデンスの前に勤めていた家庭教師で、ある夜何者かに惨殺された執事の後を追って自殺したのであった。それ以来、2人の霊は兄妹の体を通して恋を語っているのであった。ギデンスはショック療法で兄妹を救おうと、まずフロラを激しく問いつめ霊を追い出すことに成功した。続いてマイルスを問い詰めたが、マイルスは語らぬばかりか、ギデンスの唇に自分の唇を重ねるのだった。しかしギデンスが追及を続けると、突然黒い男の影が現れ、マイルスは一言叫んだままこと切れてしまった。後には恐ろしいほどの静寂が流れ、マイルスを助けようとして果たなさかったギデンスの涙に濡れた祈りだけがいつまでもいつまでも続いていた。
「回転」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「回転」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1961 |
公開年月日 | 1962年8月22日 |
製作会社 | 20世紀フォックス映画 |
配給 | 20世紀フォックス映画 |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | モノクロ/シネスコ |
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