植村直己物語
うえむらなおみものがたり Lost in the Wilderness- 上映日
- 1986年6月7日
- 製作国
- 日本
- 制作年
- 1986
- 上映時間
- 140分
- レーティング
- 一般映画
- ジャンル
- 伝記
解説
世界的冒険家、植村直己の生涯を描く。原作は植村直己、脚本は岩間芳樹と佐藤純彌の共同執筆。監督は「空海」の佐藤純彌。撮影は「人生劇場(1983)」の並木宏之がそれぞれ担当。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
植村直己って知っていますか。植村直己が遭難する頃って山岳遭難のニュースが結構あった記憶がある。植村直己も名誉欲とは言わないまでも、一流のクライマーを自負して自信過剰で遭難したか、と当時思った。その後に入ってきた情報では、そういう人ではないと伝えられたが、死んでしまっては弁解のしようもない。残った人の言い訳のようにも思えた。この映画が作られたことは知っていたが、特に見たいとも思っていなかった。
今回、この映画を観たことで、植村直己という人物を間違って理解していたことがわかる(といっても映画で脚色されている部分もあるだろうが)。
さて、映画だが、監督が佐藤純彌で、役者陣もたくさん出ている。海外ロケも行っていてずいぶんとお金のかかった映画だ。だけど、今ひとつかな。役者は良い演技を時々見せてくれる。佐藤純彌の演出も上手い、というところもあった。だけど、気恥ずかしくなるような台詞があったり、いかにもなベタな演出があったりで、うーん、もう一つかな。佐藤純彌は置くとして、脚本に参加している岩間芳樹って映画では3本しか脚本書いていないんだ。「鉄道員(ぽっぽや)」は観ているので、あのATGの「鴎よ、きらめく海を見たか めぐり逢い」をみて判断しましょ。
西田敏行が植村直己役をやっていた。途中まで植村直己だったんだが、だんだん西田敏行になってしまった。古尾谷雅人、生きていてほしかった。彼のデビュー作田中登の「女教師」も公開時に観ていて、あの高身長だから忘れられない。当時も良いバイプレイヤーだったが、年を取っても良い役者やっていたろうに。倍賞千恵子、この映画の頃は40代中盤。映画の最初の頃に鎖骨が見える服を着ていたのだが、鎖骨が妙に色っぽかった。
「植村直己物語」のストーリー
グリーンランドのシオラパルクに滞在し、3000キロの犬橇単独行を成し得た植村直己は、久しぶりに東京に戻って来た。彼は駅の階段で偶然出逢った女性と馴染みの店で再会した。そして数日後、その女性野崎公子に自分の著書をプレゼントする。それを読みながら、これまでの植村の人生を知る公子。明治大学山岳部で落ちこぼれだった植村は、卒業後4万円だけ持って、横浜より移民船で渡米した。だが、労働ビザが無いため、不法労働で国外追放され、フランスのシャモニーに渡る。そこで働きながらヒマラヤのゴジュンバ・カンII隆明大隊に参加、同峰初登頂に成功した。その時団体登頂は合わないと感じた彼は、その後、モンブラン、マッターホーン、キリマンジャロ、アコンカグアなどを単独で登った。1970年5月には、日本人として初めてエベレスト山頂に立った。3ヵ月後、北米最高峰マッキンリー単独登頂に成功、5大陸最高峰すべてを征服する記録をたてた。その後一般の職につくがどれも長続きせず冒険家として生きることに。そして、エベレスト国際登山隊に参加した後、陸地の冒険にきりかえ現在に至っていた。深い感動をうけて読み終った公子は、植村のプロポーズを承諾。1974年、二人は結婚した。間もなく、植村は北極圏12000キロの犬橇単独行を1年半近くかけて成し遂げた。彼の冒険熱は失せることなく、78年4月、寒さと戦い、危く白熊に襲われそうになりながらも、犬橇で北極点単独到達に成功した。その後、これを最後にと南極大陸横断計画をたてるが、フォークランド紛争のためアルゼンチン政府の協力を得られず断念する。そして、84年2月、マッキンリー冬期単独登頂後、消息を断つ。懸命の捜索にもかかわらず発見されず、日本政府は、死亡が確定的になった4月19日、彼の輝しい業績に対して国民栄誉賞を贈った。
「植村直己物語」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「植村直己物語」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 伝記 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1986 |
公開年月日 | 1986年6月7日 |
上映時間 | 140分 |
製作会社 | 電通=毎日放送 |
配給 | 東宝 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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