解説
中年サラリーマンと少女との純愛を描く。ジョージ秋山原作の同名劇画の映画化で、脚本は「白衣物語淫す!」の竹山洋が執筆。監督は「化身(1986)」の東陽一、撮影は「永遠の1/2」の川上皓市がそれぞれ担当。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
映画を見ている間中、金子修介が監督だと思っていた。見終わった後、確認したら東陽一監督じゃありませんか。1988年の映画なので今更なのだが、何やってんだ東陽一。別にポルノ映画が悪いと言っているわけではない。これが東が撮りたかった映画なのか。東陽一といえば「やさしいにっぽん人」、「サード」、「もう頬づえはつかない」などの映画で1970年代の映画を引っ張っていった一人なのに。80年代になったらこれかよ。「四季・奈津子」辺りから路線変更してしまったのかな。
ちなみにTBSラジオのパックインミュージックで林義雄が緑魔子の歌う「やさしいにっぽん人」を頻繁にかけていた。「サード」では主人公がうたう短歌を東陽一が作り、脚本の寺山修司から「俺でもこんな短歌は作れないよ」と言わしめていた。そんな才気あふれる東陽一だったのに。
映画としては、楽しい映画でした。川上麻衣子はもうすでに売れていて脱ぐ必要もなかったろうに、大胆にセックスシーンを行っているし(その後「その男、凶暴につき」で犯される役で胸を出していた)。そして本阿弥周子の裸もきれいでした。ロマンポルノとしてはよく出来た作品です。ストーリー展開も面白く、ポルノでなくてもこんな設定の映画かドラマって見たことある様な気がする。寺田農は、自分がAVやポルノが好きなことを公言していて、ロマンポルノに出演できたことは嬉しかったろう。原作がジョージ秋山なんだけど、彼も若い頃は過激な漫画を書いていたのに、だんだんとおとなしい漫画になっていったなあ。
「うれしはずかし物語」のストーリー
中年サラリーマンの三国裕介は会社では部長の地位にあり、家庭では良き妻と子供に恵まれていたが、なにか満たされぬ思いがあった。ある晩裕介はチャコという若い娘と週一回の愛人契約を結び、彼女は金曜日になると彼のプライベートなマンションに遊びに来るようになった。一方、裕介の妻・和歌子は良妻賢母で通っていたが、外山という若いボクサーと知り合い、不倫に陥ってしまう。裕介も和歌子も若い恋人ができて毎日が楽しくてしょうがないが、まさか相手が浮気しているとは思っていない。しかし、ある晩いくら待っても、チャコは現われなかった。裕介はいらいらしながら翌日もマンションに行くと、チャコがいた。初めは約束を破ったことを責めるが、彼女の魅力に負けて許してしまう。やがて二人は頻繁に会うようになり新しくアパートを借りたが、そこは外山のアパートの向いだった。チャコが少女から大人の女へと変化するにつれ、裕介の思いもときめきから戸惑いへと変わってきた。ある日裕介はチャコの姉の差し金で、やくざ風の男に「チャコと別れろ」と脅かされた。裕介がその足でアパートへ行くと、そこにはチャコとボーイフレンドの舟戸がおり、彼は夢が終わったことを悟った。金曜日、裕介はチャコと最後の契約を果たすために抱き合ったが、窓が開いていたので、向かいのアパートで外山と抱き合う和歌子と目が合ってしまった。二人はお互いの気持ちがわかるだけに責める気になれず、再び平穏な家庭生活へと戻っていった。
「うれしはずかし物語」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「うれしはずかし物語」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1988 |
公開年月日 | 1988年3月19日 |
上映時間 | 89分 |
製作会社 | にっかつ |
配給 | にっかつ |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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