新選組始末記

しんせんぐみしまつき
上映日
1963年1月3日

製作国
日本

制作年
1963
上映時間
93分

レーティング
一般映画
ジャンル
時代劇

check解説

子母沢寛原作から、「星の瞳をもつ男」の星川清司が脚色、「青葉城の鬼」の三隅研次が監督。撮影もコンビの本多省三。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     三隅研次監督作品。クレジットでまた工夫している。今回の映画は暗闇を描いているシーンが多い。後、池田屋襲撃のシーンはやっぱり圧巻だ。三隅研次故か、あるいはこの頃の時代劇を作る監督は、このような集団時代劇を撮るのは当たり前なのか、面白く撮っている。日本映画全盛期の頃だもんなあ。
     近藤勇を若山富三郎(クレジットは城健三朗)、土方歳三を天知茂、市川雷蔵の役は山崎烝という新選組に途中から入る浪人。映画観る前は土方をやるのかと思っていた。やっぱり顔が甘すぎるから土方では無理かな。雷蔵と藤村志保との絡みは色っぽいなあ。雷蔵は色男だからこんなシーンは似合うな。それにしても天知茂の存在感が大きい。「座頭市物語」でも天知茂は良かったが、この映画でも光っている。冷酷な土方歳三を演じている。若山はどっしりしていて、近藤勇に合っている。新選組と言えばもう一人、沖田総司がいるのだが、この映画では松本錦四郎という役者が演じているが、そこまで存在感のある役どころではなかった。芹沢鴨を田崎潤が演じている。実際の芹沢と言う人物がどのような人物だったのか不明なので、いくらでもキャラクターを作れただろう。小説や映画によって描かれ方がまちまちだが、総じて権力欲が強く傲慢な人となっている。歴史的にみれば近藤達がクーデターで芹沢を殺して新選組を乗っ取ったということだろう。この映画でも傍若無人な人物として近藤達に殺される。田崎潤はどんな役でもやれるバイプレイヤーで、この映画ではきちんといやな役を演じている。
     それにしてもやっぱり天知茂だよな。大映も天知茂を看板で売れば良かったのに、新東宝から来た役者だから、バイプレイヤーにしてしまったのかなあ。天知茂では色っぽいシーンは無理なのでハードボイルド物とかサスペンスものだったらOKじゃない?そうすれば大映の倒産も先延ばしできたかもしれない。
     今の時代に三隅研次にロマンスシーンを撮らせて見せたかった。エロくなっただろうなあ。
     もう一つ、新選組を作った清河八郎を扱った篠田正浩監督「暗殺」も面白いから機会があれば観て。

「新選組始末記」のストーリー

浪人山崎蒸は恋人志満の反対にも拘らず、当時京都で活動を起しはじめていた壬生の新選組へ入った。そこには彼が惚れ込んだ武士らしい男、近藤勇がいたからである。だが局長の芹沢はとかく粗暴の振舞いが多く、苦言する近藤らは無視されがちだった。土方歳三は、或る夜芹沢の寝込みを襲って惨殺した。そして、近藤が局長、土方が副長におさまった。蒸は土方の陰険な策謀に反発した。蒸のそのような純粋さを危険視していた土方は罠をかけた。そのため蒸は公儀役人を斬ってしまった。土方はそれを口実に切腹を主張したが、近藤は逃亡の形で蒸に勤皇方の探索を命じた。母方に帰った蒸は志満と結ばれた。蒸は百姓上りの少年隊士彦平を助手に勤皇浪士の動静を探った。そして勤王方の黒幕古高俊太郎のかくれ家をみつけた。新選組に捕えられた古高は、土方の残酷な拷問にあい、同志の集合場所を四国屋と白状した。時を同じくして、蒸の情報は池田屋と知らせてきた。土方は蒸の情報に疑いを抱き、全員の四国屋襲撃を主張したが、近藤は蒸に賭け、斬込み隊を二手にわけた。そんな頃、挙動を怪しまれた彦平は人斬り久蔵に池田屋に引きずりこまれ、蒸が池田屋に飛びこんだ時は、彦平は斬殺されたところだった。蒸と久蔵の激しい斬りあいがはじまった。そこへ新選組がかけつけて来た。三十余各の浪士たちと新選組の凄烈な血戦がはじまった。一時は苦戦におちいった新選組であったが、誰もいない四国屋から引返して来た土方隊の応援に勝利は新選組に帰した。かくて土方は蒸の功労に潔よくカブトをぬいだ。近藤と蒸の信義が美を結んだのであった。

「新選組始末記」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「新選組始末記」のスペック

基本情報
ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1963
公開年月日 1963年1月3日
上映時間 93分
製作会社 大映京都
配給 大映
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ

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