偽大学生

にせだいがくせい
上映日
1960年10月8日

製作国
日本

制作年
1960
上映時間
94分

レーティング
一般映画
ジャンル
ドラマ

check解説

大江健三郎の『偽証の時』の映画化で、「青い野獣」の白坂依志夫が脚色し、「足にさわった女(1960)」の増村保造が監督した。撮影も同じく「足にさわった女(1960)」の村井博。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る

ユーザーレビュー

「偽大学生」のストーリー

T大歴史学研究会のメンバーに一人の新入生が加わった。上級の木田や睦子は彼を疑うことなく仲間として迎えた。リーダーの空谷が逮捕されたのも、この新入生からの伝言で分った。彼、大津彦一は立派なT大生になっていたのだ。翌日から、空谷の保釈を要求する坐りこみが始まった。勿論、彦一は真先にその運動に加わった。警察官と学生のにらみ合いは乱闘に発展した。彦一の奮戦はひときわ目立った。傷だらけの学生たちに混って、彦一も留置場の中で、学生運動の英雄に仲間入りしたような錯覚に陥った。警察側はすでに彦一が偽大学生であることを見破っていた。しかし、国際共産主義の廻し者として学生運動を扇動しているのではないかと激しい取調べを受けた。その結果は、この忙しいのにこんなザコを相手にしているひまはないということで、わずか一時間で釈放された。木田や彦一らの釈放を叫んでで警察署前に坐りこんでいた睦子たち歴研部員は、拍手で彼を迎えた。木田たちが釈放されたのはそれから三日後だった。木田は睦子を愛していた。睦子の父親は戦前T大の教授で、今は時代の流れに逆流するようにひっそり売り喰い生活に甘んじていた。数日後、釈放された空谷を歓迎するコンパが歴研部員たちで開かれた。その席上、空谷から身辺にスパイがいるという発言があって皆を驚かした。木田には一瞬彦一の顔が浮かんだ。彼だけ一時間で釈放されたり、今もコンパの中途で睦子を誘って全学同の本部へ連絡と称して抜け出している。早速、学生簿を調べたが、大津彦一の名はない。帰った彦一は、木田たち歴研部員数人の手によって監察され、激しい訊問にかけられた。彦一はただ母親に不合格だと言えなくて偽大学生となったのだが。猿ぐつわをされ椅子に縛りつけられた偽大学生大津彦一は発狂した。それを監視しながら木田と睦子は抱擁を続ける。彼らも共に発狂しているのだろうか。

「偽大学生」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「偽大学生」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1960
公開年月日 1960年10月8日
上映時間 94分
製作会社 大映東京
配給 大映
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ モノクロ/シネスコ
音量 モノラル

関連するキネマ旬報の記事

関連記事一覧
1960年7月下旬号 シナリオ 偽大学生 大映映画・増村保造作品 
1960年10月下旬号 日本映画紹介 偽大学生
1960年11月上旬号 日本映画批評 偽大学生

今日は映画何の日?

注目記事