解説
ローマ時代のキリスト教徒を扱ったトマス・B・コスティンのベストセラー小説から「指紋なき男」のレッサー・サミュエルズが脚色、同じく「指紋なき男」のヴィクター・サヴィルが製作・監督に当たった1955年作品。撮影は「クオ・ヴァディス」のウィリアム・V・スコール、音楽は「裏窓」のフランツ・ワックスマンである。出演者は「獅子王リチャード」のヴァージニア・メイヨ、「君知るや南の国」のピア・アンジェリ、「異教徒の旗印」のジャック・パランス、新人ポール・ニューマン、「麗しのサブリナ」のウォルター・ハムデン、「探偵物語」のジョセフ・ワイズマン、「異教徒の旗印」のアレクサンダー・スコービー、ローン・グリーンら。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る
ユーザーレビュー
「銀の盃」のストーリー
最後の晩餐でキリストが弟子たちに酒を注いだ銀の盃、これはその聖杯にまつわる物語である。キリスト死後20年、ギリシャのアンティオクに彫刻の巧みな12歳の少年バジルがいた。彼は家の奴隷の少女ヘレナに仄かな思いを寄せていたが、やがてヘレナは逃亡、父も死に、彼は叔父夫婦に引き取られた。強欲な叔父はバジルを奴隷商に売りとばした。数年後ソステーネ家で成長したバジル(ポール・ニューマン)は銀細工で立派な腕を持つようになっていた。かつての恋人ヘレナ(ヴァージニア・メイヨ)は有名な魔術師シモン(ジャック・パランス)の一番弟子となっていた。叔父に殺されそうになったバジルは12使徒の1人ルカに救われた。ルカは彼に聖杯の枠の製作を依頼した。枠には使徒たちの像を刻みこまねばならず、バジルは各地に散った使徒たちに会いながら聖地エルサレム訪問に旅立った。途次、アリマテアにヨゼフを訪れたバジルは、ヨゼフの孫娘デボラ(ピア・アンジェリ)と深く愛し合うようになった。エルサレムに住む革命家ミジャミンはひそかにローマに対する反乱の機を窺い、魔術師シモンを味方として、キリスト教徒から聖杯を奪えと命じた。死んだヨゼフの遺言で、バジルとデボラは結婚し、アンティオクに向かったが、途中ミジャミンに襲われ1度は聖杯を奪われたが辛うじて取り返した。アンティオクについたバジルは更に使徒ペテロに会うべくローマに向かった。当時ローマは暴君ネロの支配下にあり、魔術師シモンもローマに現れ、我こそはイエス以上の奇蹟を行う救世主なりと放言、空を飛んで見せると約束した。ネロはキリスト教徒を抑える方便にこれを許し、高い塔を教徒や奴隷に築かせた。このときの敬虔な教徒の態度にバジルは深くうたれ、はじめて神に祈りを捧げた。そのときキリストの幻が現れ彼は霊感にうたれて聖杯の枠を完成することが出来た。バジルは枠をペテロに渡し、アンティオクからローマについたデボラも聖杯をペテロに渡した。飛行を試みたシモンは墜落して死んだ。怒ったネロはヘレナにも同じことを命じ、彼女も塔上から死んだ。激高した群衆はキリスト教徒を襲い、ミジャミンはデボラから聖杯を奪ったが群衆に殺された。騒乱のうちに聖杯は何時しか見失われた――バジルとデボラはアンティオクに帰った。盃が再び見出されたとき人類に幸福がもたらされるだろうというペテロの言葉を後にして。
「銀の盃」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「銀の盃」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1954 |
公開年月日 | 1955年5月25日 |
製作会社 | WB映画 |
配給 | ワーナー・ブラザース映画日本支社 |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1955年5月下旬号 |
新作グラフィック 銀の盃 外国映画紹介 銀の盃 |
1955年8月上旬号 | 外国映画批評 銀の盃 |