「黒い絨氈」のストーリー
1901年の物語。南米アマゾン河上流の奥地に、白人の女ジョアンナ(エレノア・パーカー)がこの地で農園を経営するクリストファー・レニンジェン(チャールトン・ヘストン)と結婚するためにやってきた。しかし、レニンジェンは、彼女の気位の高さと再婚であることにこだわって快くは迎えなかった。ジョアンナも彼の依怙地さを見ては、とても一生添いとげられぬと思い、アメリカに帰る気になった。ある夜、使っている原住民のことでレニンジェンのところへ役人が訪れてきたが、役人は上流に事変が起こった知らせをうけてレニンジェンと共に調査に出かけた。アメリカへ帰るジョアンナも途中まで同行することになり、一行がブラムラという集落につくと、集落の民はどこかへ逃げ去って1人もいず、上流から男の死体をのせたボートが流れてきた。男の帽子をとってみると肉がなくなって骨ばかりだった。一行は、マラブンタの移動がはじまったことを知った。マラブンタは、この地方に棲む蟻で、数百年ごとに集団移動をし、通りみちの動植物をことごとく喰いつくしてしまうのだ。一行は急いでレニンジェンの農園まで引き返した。彼は開拓した土地を見捨てる気にはなれなかった。レニンジェンは邸のまわりの小路に水を入れて蟻の来襲にそなえた。しかし、蟻は水にういた木の葉や木片にのって渡ってくるので効果はなかった。レニンジェンは塀の外側に木を積み上げ、火を放って来襲を防いだ。これで一時蟻の来襲は食いとめられたが、木が燃えつきると蟻は塀をこえて邸内に侵入しそうになった。レニンジェンの努力の結晶である家具調度も次々に燃やされた。夜が明けて、レニンジェンは水門をあけ、農園を水浸して危機をのりきろうと決心した。彼は蟻の大群の中を突破して水門を開いた。水は農園一面にあふれ、永年の辛苦は水泡に帰したが、その中でレニンジェンとジョアンナは相抱いた。