解説
みずから『クワイヤボーイズ』(少年聖歌隊)と称するロサンゼルスの警官たちがくりひろげる破天荒な行動を描いたジョセフ・ウォンボーのベストセラー小説(早川書房刊)の映画化。製作総指揮はマーク・デーモンとピエトロ&マリオ・ブレグニ、製作はマーヴ・アデルソンとリー・リッチ、監督は「合衆国最後の日」のロバート・アルドリッチ、脚色はクリストファー・ノッフ、撮影はジョセフ・バイロック、音楽はフランク・デヴォール、編集はモーリー・ワイントローブ、ウィリアム・マーティン、アーヴィング・ローゼンブラムが各々担当。出演はチャールズ・ダーニング、ペリー・キング、ドン・ストラウド、ティム・マッキンタイアー、ランディー・クエッド、ジェームズ・ウッズ、スティーブン・マクト、チャック・サッチ、ルイス・ゴセット・ジュニア、クライド・クサツ、バート・ヤング、ロバート・ウェーバなど。
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「クワイヤボーイズ」のストーリー
ロサンゼルス警察ウィルシャー署の分隊室では、主任警部による高圧的な訓示が行なわれる。ほとんどが20代の警官たちは、警部を軽蔑しており、特にみずからクワイヤボーイズと称する10人の警官たちはそんな訓示などに耳もかさず、その日も酒をもちよってクワイヤ・パーティを催した。泥酔した好色漢、サルティーノ(チャック・サッチ)などはノー・ボール・ハードレーと呼ばれる婦警をからかうなど大騒ぎ。『まっこう鯨』と呼ばれている最年長のウェーレン(チャールズ・ダーニング)は、19年勤続のベテランで、あと半年で20年の恩給がでる予定だった。彼は大学卒のハンサムなインテリ、バクスター(ペリー・キング)と組んでおり、勤務についたある日、ことごとく対立する主任警部を街娼を使っておとしいれ、恥をかかせた。ロスコー(ティム・マッキンタイアー)は残忍性をひめた嫌われ者で、酒に弱く小心者のディーン(ランディ・クエイド)と組んでいたが、ビルの屋上から自殺しようとしていた黒人少女を止めるどころか、けしかけるようにして死なせてしまう。クワイヤボーイズたちのパーティは、深夜マッカーサー公園で続けられたが、それは日毎に乱痴気の様相を呈してきた。スクッズ警部(バート・ヤング)は、ベトナム帰還兵のサム(ドン・ストラウド)とバクスターを組ませて男性トイレのパトロールにあたらせるが、巡回中のロスコーが私服刑事をホモと間違えて乱闘するのに巻きこまれてしまう。一方、娼婦担当だったハロルド(ジェームズ・ウッズ)は、サムと共にパトロール班に戻り、かねてより目をつけていた娼婦の部屋に踏み込むが、客を調べるために奥の部屋に入ったサムは、鎖につながれたバクスターの姿を見た。この光景を、見て見ぬふりしたサムだったが、翌日バクスターが自殺したことを知らされ、自分さえあの家に行かなければ、と自分を責めた。泥酔したサムは、ワゴンの中に運ばれ、ベトナムで体験した怖しい光景につかれて暴れていた。そして、暴れるサムを助けようとワゴンのドアをひらいた少年を、幻覚のために発砲して死なせてしまう。この事件を内々で処理しようとした副総監のリッグス(ロバート・ウェバー)はウェーレンを呼び出し、20年の恩給で彼を脅しながら真相を知る。ウェーレンは職を辞し、念願の引退生活に入るが、リッグスが約束を破りクワイヤボーイズたちを休職処分したことを、かつての仲間からの手紙で知り、黒人のカルビン(ルイス・ゴセット・ジュニア)を伴って副総監室に乗りこんだ。そして、自分の保身のみを考えて事件を処理してしまったリッグズを、逆に真相をマスコミに暴露すると脅し、処分撤回を勝ちとった。
「クワイヤボーイズ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「クワイヤボーイズ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1977 |
公開年月日 | 1978年4月29日 |
上映時間 | 119分 |
製作会社 | ロリマー・プロ作品 |
配給 | 日本ヘラルド映画 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | モノラル |
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