「5等になりたい。」のストーリー
小児麻痺の後遺症で歩くのが不自由な律子は、そのことで先生に人一倍かまってもらったことから、クラスメイトの省吾や咲子らの反感を買い、いじめにあっていた。表面でこそ明るく振る舞うものの、内心はひどく傷つく律子。そんな彼女に勇気を与えたのは、律子の足が歩けるように体と心の治療を施してくれた石橋先生だった。自らも目が不自由なハンディキャップを抱える彼は、いじめっ子は心のハンディを持っているのだよ、と律子を励ますのだった。3年生になった律子は、運動会で班対抗のリレーに出場することになった。ところが、律子と同じチームのメンバーの省吾や咲子は、これではビリになってしまう、と大騒ぎ。しかし、担任の林先生が省吾や咲子が律子をいじめる本当の原因をつきとめたことでクラスは和解する。律子のビリの6等ではなく5等になりたいという夢を叶えるため、省吾の出したアイデアで、本来なら一人100メートル走るところを、律子は70メートル、省吾は130メートル走ることになった。それからはチーム一丸となっての猛練習が開始され、運動会当日を迎えた。いよいよリレーのスタート。運動神経抜群の咲子の頑張りで、律子のチームは順調な出だしでトップを走る。アンカーの律子は1位を守ってきた省吾からバトンタッチされ、皆の応援の中を懸命に走った。見事1位をキープしてゴールのテープを切った律子は、彼女の姿を見に来てくれた両親や石橋先生たちと手を取り合って喜び、嬉しい時にも流れる涙のあることを知るのであった。