解説
大都会に巣くう暴力団内部の抗争事件に暗躍する、女殺し屋・Mの活躍を描くアクション映画。脚本は「OL日記 濡れた札束」の宮下教雄と、中島紘一、監督は「セックス・ライダー 傷だらけの欲情」の蔵原惟二、撮影は「実録エロ事師たち」の畠中照夫がそれぞれ担当。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
いやあ、酷い。たまらなく酷い。こんな酷い映画はなかなか観られない。フィルムの無駄。金の無駄遣い。
藤田敏八の「妹」の併映と言うことらしいけど、それにしてももっとまともな映画に作り上げたら良いのに。テレビでもこんな酷いアクションはないでしょ。お色気だったらもっとお色気出した映画にすれば良いのに。「妹」の抱き合わせだから、ポルノというわけにもいかなかったのか。これだったら自主映画撮っている人達に任せた方がまだましな映画を作ったんじゃないか。
だいたい"M“ってなんなの?最初は劇画の映画化と思ったけど、そうでもないんだ。そうすると"M“の意味って?映画の冒頭、クレジットと間に映像が流れるんだけど、これがまず長い。長いと思わせる。何の意味のない映像で時間つぶししている。池玲子のアクションもアクションなんて呼べる物でなくて、ドタドタの演技。
せっかく成田三樹夫が準主役なのに、全然彼の良さが出ていない。
なんでこんな映画を作ってしまったんだろう。脚本も雑で、兎に角、長篇にしなきゃいけないから、どうでも良いシーンを次々と入れて尺を稼いでいるだけ。蔵原惟二もこんな映画撮ったら、二度と撮らせてもらえないよ。少なくとも私が会社側だったら二度と使わないね。
日活もなんでわざわざ東映から池玲子を連れてきて主役にしているんだろう。ロマンポルノの女優だって、演技できる役者はたくさんいただろうに。何から何まで、なんでこんな映画を作ったのか判らない、歴史的酷い映画だ。
「黒い牝豹M」のストーリー
横浜、ここでは関西の広域暴力団・国栄会の横浜支部の看板を掲げている速水興業が着々と勢力を広げ、幅を利かしていた。ある日、共栄会の中田が速水興業の社長・速水を訪ねてきた。速水と中田は共謀して、国栄会への上納金をごまかして来たのだが、会長がその事に気づいたために、中田は手を引きたいと言うのだった。だが、納得しない速水は中田を殺し、この機会に国栄会とも決着をつける決心をする。これら全てを遠くから見ている女がいた。読唇術と拳術に秀れた「M」と呼ばれる女殺し屋である。Mは会長から、中田と速水を殺すべく派遣されたのだ。中田を自らの手を下すまでもなくすんだMは、次に速水を狙うが、逆に三人のボディガードに掴まり、無理矢理抱かれてしまう。だが、その時、Mの細い指が男の喉元に食い込み、骨の砕ける鈍い音がした。これが幻の流派、多良間流空手の必殺拳である。一方、速水は、Mを捕えようと、ゴルフ場に出かけ、自分の替え玉と入れ替った。Mはその罠にまんまと引っかかり、囮を殺してしまった。替え玉と気がついたMが一瞬あわてた隙を狙って、ボディーガードたちが襲いかかる。激しい格闘の末、Mは相手を倒すが、自からも深手を負ってしまった。ある公園で、傷のために衰弱して倒れていたMを、自分の家に連れていき、手厚く看護したのは、以前、車に轢かれそうになったのをMに助けられた娘むつみの母和子だった。だが、和子の夫は速水だった……。
「黒い牝豹M」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「黒い牝豹M」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | アクション |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1974 |
公開年月日 | 1974年8月14日 |
上映時間 | 74分 |
製作会社 | 日活映画 |
配給 | 日活 |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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