解説
秋の穏やかな自然の空気に包まれながら、40代男女の恋模様を軽やかなタッチで描いた一編。監督・脚本は名匠エリック・ロメール。「春のソナタ」(89)「冬物語」(91)「夏物語」(96)に続く、本作が四季の物語シリーズの完結作となる。製作はフランソワーズ・エチュガライ。撮影は「木と市長と文化会館」からロメール組に加わっているディアーヌ・バラチエ。音楽はクロード・マルティ、ジェラール・パンサネル、ピエール・ペイラス、アントネッロ・サリス。編集は「木と市長と文化会館」以来ロメールと組むマリー・ステファン。録音は「レネットとミラベル 四つの冒険」からロメール組に参加するパスカル・リビエ。出演は「冬物語」のマリー・リヴィエール、「レネットとミラベル 四つの冒険」のベアトリス・ロマン、「ベルニー」のアラン・リボル、「ジェリコー・マゼッパ伝説」のディディエ・サンドルほか。98年ヴェネチア国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞。
ユーザーレビュー
「恋の秋」のストーリー
南フランスの小さな町、サン・ポール・トロワ・シャトー。本屋を経営する主婦イザベル(マリー・リヴィエール)は、ローヌ渓谷の小さな農園でぶどう酒造りに打ち込んでいる親友マガリ(ベアトリス・ロマン)が独り身でいるのを心配していた。マガリの息子レオ(ステファーヌ・ダルモン)の新しいガールフレンドの女子大生ロジーヌ(アレクシア・ポルタル)も奇しくも同じことを心配。イザベルとロジーヌは、それぞれ勝手にマガリの恋の相手を探そうとする。イザベルは新聞の結婚交際広告欄にこっそり投書、ビジネスマンのジェラルド(アラン・リボル)と身代わりでデートし、彼をマガリにそれとなく会わせるように事を進めていく。一方ロジーヌは、最近別れた自分の元恋人の哲学教師エチエンヌ(ディディエ・サンドル)を、マガリに紹介しようとする。そしてイザベルの娘エミリア(オーレリア・アルカイス)の結婚式の披露宴ガーデン・パーティで、彼女らの企みを何も知らないマガリの前に、男ふたりが現れた。マガリはジェラルドのことを気に入ったが、偶然、イザベルがジェラルドに思わず抱きついたところを目撃。その後ようやくイザベルはジェラルドをマガリに紹介、マガリはジェラルドの車で自宅まで送ってもらったが、事の不可解さにマガリは不安がり、ふたりの仲はうまくいかない。マガリは夜になってからパーティ会場に戻り、イザベルに真相を聞き出す。するとジェラルドも会場に戻ってくる。そこでふたりは互いの気持ちを確認しあい、また会う約束をして別れるのだった。
「恋の秋」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「恋の秋」のスペック
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1998年12月下旬号 |
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