スキャンダル(2003)
すきゃんだる Untold Scandal
解説
TVドラマ『冬のソナタ』が日本でも空前の大ブームとなった韓流スター、ペ・ヨンジュンのスクリーン・デビュー作。これまでにも何度も映画化されたラクロの『危険な関係』を下敷きに、舞台を18世紀の李王朝に置き換え、華麗な衣裳に身を包んだ貴族たちが織り成す愛憎入り交じった危険な恋愛ゲーム。監督は「純愛譜」のイ・ジェヨン。2018年1月20日よりデジタルリマスター版が公開(配給:ハーク)。
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「スキャンダル(2003)」のストーリー
18世紀末、李朝末期の朝鮮。政府高官ユ長官は、地方出張で留守がちの生活。その妻チョ夫人(イ・ミスク)は子宝に恵まれず、夫は16歳の側室ソオクを迎え入れようとしていた。夫の前では寛大な態度を見せてはいるが、内心は穏やかでいられない夫人は、幼少より仲の良い、従兄弟のチョ・ウォン(ペ・ヨンジュン)にある提案をする。花嫁のソオクを婚礼の前に妊娠させよ、と。チョ・ウォンにとってチョ夫人は初恋の相手であり、彼女を奪ったユ長官への復讐にもなり、またチョ夫人にとっても夫への最大の復讐になる、というもくろみだ。文武両道に長けているが、高位官職を嫌い、書画の風雅を楽しんで日々を過ごしているプレイボーイのチョ・ウォンは、16歳の小娘を落とすなど簡単すぎてつまらない、と断る。彼の目下の狙いは、結婚前に急死した夫に9年もの間貞操を守り続けている未亡人、チョン・ヒヨン(チョン・ドヨン)だった。そこで賭けが決まった。チョ・ウォンがヒヨンをみごと落とすことが出来た暁には、チョ夫人は褒美として“かつて望んでいたけれど手に入らなかったもの”を差し出す。負けたらチョ・ウォンは僧侶になる。証拠は、ヒヨンが27年間守ってきた処女の血だ。すぐさま、チョ・ウォンはあの手この手の作戦を開始し、神出鬼没のごとくヒヨンのいる場所に顔を出すようになる。彼女が熱心に参加している天主教の集まりでは、自分が寄付金を差し出したことをさりげなく彼女に知らせ、女性達が憩う場にも姿を現して珍しいお茶を贈ったり、手を尽くす。しかし、慣習に囚われ、世間体を気にする彼女は、頑なに拒み続ける。それでもチョ・ウォンはひるまず、わざと暴徒たちに彼女を襲わせ、それを救出したり、見え透いたように見える作戦を優雅に繰り広げ、さらにその合間には例のソオクをまんまと自分のものにしていた。そして、ヒヨンが渡ったカンファ島まで追いかけ、「愛される資格はありません。ここを去ります…」と最後の愛を訴える芝居に出た。心が揺らいでいたヒヨンは、ついにチョ・ウォンにすべてを差し出してしまう。ヒヨンとの一夜について「完全な一体感を味わった」とチョ夫人に書き送りながらも、チョ・ウォンは自分が得たものの価値をまだ本当には理解していない。おりしも、天主教徒を取り締まる動きがあるという。「夫以外の男と遊びまわる天主教徒の夫人がいる」と、チョ夫人がヒヨンを陥れるために噂を流したのも、一因だった。それを聞いたチョ・ウォンはチョ夫人に抗議するが、「あなたは浮気者にすぎない」とおのれの性質について逆に諭されてしまう。一緒に北京に行くという約束を覆されたヒヨンが、チョ・ウォンに理由を訊ねに行くと、そこにいたのはすっかり心変わりをした彼だった。「君に愛されていると知って、私の愛も冷めた」と。後日、チョ夫人は、伝染病が蔓延しているカンファ島に戻ったヒヨンが、食事も摂らずまるで生きた屍のようになっていると、愉快げにチョ・ウォンに伝える。そんな彼女の冷酷さに今更ながら気づいたチョ・ウォンは、同時に自分のヒヨンへの深い愛についに気づく。だが、チョ夫人の密告により事の経緯を知ったヒヨンの義弟が、兄嫁を侮辱されたと憤り、チョ・ウォンの命を狙おうとする……
「スキャンダル(2003)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「スキャンダル(2003)」のスペック
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