解説
実際に起きた事件をモチーフに、母親に捨てられた4人の幼い兄妹がアパートの一室で人知れず生き抜いていこうとする姿を描いたドラマ。監督・脚本は「帰ってきた刑事まつり/はぐれちゃった刑事」の是枝裕和。撮影を「沙羅双樹」の山崎裕が担当している。主演は、映画初出演となる『クニミツの政』の柳楽優弥、新人の北浦愛、木村飛影、清水萌々子。第78回キネマ旬報日本映画ベスト・テン第1位、日本映画助演女優賞(YOU)、日本映画新人男優賞(柳楽優弥)受賞、第59回毎日映画コンクール日本映画優秀賞、録音賞、スポニチグランプリ新人賞(柳楽優弥)受賞、第57回カンヌ国際映画祭男優賞(柳楽優弥)受賞、第47回ブルーリボン賞作品賞、監督賞受賞、第29回報知映画賞作品賞受賞、第28回日本アカデミー賞優秀助演女優賞(YOU)受賞、第28回山路ふみ子賞福祉賞(是枝裕和)受賞、第26回ヨコハマ映画祭日本映画2004年ベストテン第3位、最優秀新人賞(柳楽優弥)受賞、日本映画ペンクラブ賞会員選出ベスト5日本映画第2位、芸術文化振興基金助成事業作品。
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「誰も知らない」のストーリー
秋。2DKのアパートに、母親のけい子と、12歳の明を筆頭に京子、茂、ゆきの4人の兄妹が引っ越して来た。子供たちは、それぞれに父親が違い、学校にも通ったことがなかった。ある日、けい子が20万円の現金と明に「妹弟たちを頼む」とのメモを残して姿を消した。それから1カ月、4人での生活を続けていた子供たちの前に、ふいにけい子が戻って来る。「どこへ行っていたのか」と尋ねる明に、「仕事で大阪へ行っていた」と嘯くけい子。そして再び、彼女は「クリスマスに戻る」と言って部屋を出て行った。しかしそれ以後、約束のクリスマスやお正月が過ぎても、けい子は帰って来なかった。母親に捨てられた。そう気づいた明は、妹たちにそれを悟られないよう生活を続けていこうとするが、やがて金も底を尽き、電気や水道も止められてしまった。明は、やりきれなさから妹弟たちに辛くあたることもあった。そんな中、ゆきが椅子から転落して死んだ。公園で知り合った不登校の少女・紗希の力を借りて、ゆきといつか飛行機を見に行こうと約束していた羽田へ向かった明は、そこに彼女の遺体を埋葬すると、アパートへと戻り、遺された妹弟たちとの生活を再開する。
「誰も知らない」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「誰も知らない」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2004 |
公開年月日 | 2004年8月7日 |
上映時間 | 141分 |
製作会社 | 「誰も知らない」製作委員会(テレビマンユニオン=バンダイビジュアル=エンジンフイルム=シィースタイル=シネカノン) |
配給 | シネカノン |
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