解説
カルト的人気を誇るSF作家フィリップ・K・ディックの小説「暗闇のスキャナー」を映画化したSF作品。監督は「スクール・オブ・ロック」のリチャード・リンクレイター。実写とアニメを組み合わせた“ロトスコープ”という手法による斬新な映像が評判を呼んだ。キャストも、キアヌ・リーヴス(「コンスタンティン」)、ロバート・ダウニーJr.(「チャーリー」)、そしてウィノナ・ライダー(「17歳のカルテ」)など、個性派ぞろいである。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る
ユーザーレビュー
「スキャナー・ダークリー」のストーリー
物質Dと呼ばれる幻覚剤を始めドラッグが蔓延している近未来のアメリカ・カリフォルニア州。ボブ(キアヌ・リーヴス)は、フレッドという名の覆面捜査官として、物質Dの供給源を探る囮捜査を行なっていた。フレッドでいる時は「スクランブル・スーツ」という特殊なスーツに全身を包んでいるため、周りの人間にはその正体が判らない。そして彼の上司も同じスーツを着用しているため、ボブには上司の正体が判らないのだった。フレッド=ボブは捜査と監視のためにジャンキーのバリス(ロバート・ダウニーJr.)たちと共同生活を営み、売人のドナ(ウィノナ・ライダー)とは恋人関係になっていた。ある失策が元で、当局のテストを受けるフレッド。捜査の過程で本当に物質Dの中毒になったことがばれ、マークされているらしい。その一方でバリスが、同居人のボブは要注意人物だと当局にタレこんできた。こうしてフレッド=ボブは、ボブの家に取り付けた監視カメラの映像をチェックする仕事を命じられた。つまり自分自身を監視する破目に陥ってしまったのだ。監視しつつ監視されるという分裂した状況に置かれたフレッド=ボブは、物質Dを更に服用するようになり、奇怪な幻覚に悩まされるようになる。再び行われたテストではその病状がかなり悪化していることが判った。そもそも彼は最初から当局に利用されていたのだ。その狙いはボブを囮に危険人物バリスの尻尾を掴むことであり、上司の正体はドナだった。しかしそれが判った時、ボブは、もう限界に来ていた。ドナに連れられ、中毒患者の厚生施設「ニュー・パス」に収容されるボブ。やがて抜け殻のようになったボブは、「ブルース」という新しい名前を与えられ、農園の仕事を割り当てられた。それは「ニュー・パス」こそが実は「物質D」を製造している元凶だということを探る当局の狙い通りだった。しかしボブは既に廃人のようになっていた。ある日ブルースことボブは、農園に青い花が咲いているのを見つける。そして彼は悟ったのだ。その植物こそが「物質D」の原料であったことを。
「スキャナー・ダークリー」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「スキャナー・ダークリー」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | SF |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2006 |
公開年月日 | 2006年12月16日 |
上映時間 | 100分 |
製作会社 | セクション・エイト=ディートゥア・フィルムプロダクション=3アーツ・エンタテインメント・プロダクション |
配給 | ワーナー・ブラザース |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
2013年2月上旬号 | 俳優を決定づけたこの一本 キアヌ・リーブス 実在と非在のあいだ「スキャナー・ダークリー」 |