「マーダーボール」のストーリー
マーク・ズパンは、ウィルチェアーラグビー(車いすラグビー)のアメリカ代表選手である。事故で四肢マヒ障害を負ったが、事故に遭う前も後も両親も手を焼く“荒くれ者”だ。2002年、第11回ウィルチェアーラグビー世界選手権大会。これまでの世界大会はアメリカが10年連続で優勝。トーナメント3日目、全勝で勝ち進むアメリカは、世界ランキング5位のカナダと対戦することになった。カナダ代表チームでは、かつてアメリカ代表だったジョー・ソアーズが監督を務めていた。ジョーはアメリカ代表から戦力外通告を受けたことに納得できず、無断でカナダへ渡り、監督に就任していたのだった。そんなジョーに対し、マークたちはアメリカ代表チームの作戦やサインを持っていった“裏切り者”だと反発心を強めていた。試合は接戦の末、最終ピリオドへ。試合終了間際、カナダが得点。カナダが勝利を収めた。初めて味わう敗北に打ちひしがれるアメリカ代表メンバーだったが、2004年アテネ・パラリンピックに次の目標を定め、カナダを倒し、再び世界の頂点に立つことを誓う。マークは11年前、泥酔したかつての親友クリスの運転する車が事故を起こし、四肢マヒ障害が残った。それ以来、二人はお互いの正直な気持ちを話し合う機会を失ってしまう。しかし長い年月が経った今、クリスは当時の事故と正面から向き合うようになっていた。マークはそんなクリスをアテネ・パラリンピックへと招待する。そして遂に2004年アテネ・パラリンピックが始まる。アメリカ代表チームは勝ち続け、いよいよジョー・ソアーズ率いる宿敵カナダ代表チームとの対戦を迎える。果たして因縁の対決を制するのはどちらの代表チームだろうか。