「ローズ・イン・タイドランド」のストーリー
『不思議の国のアリス』を読むのが大好きな10歳の少女、ジェライザ=ローズ(ジョデル・フェルランド)は、学校には行っていない。彼女の役目は、元ロックスターでジャンキーのパパ、ノア(ジェフ・ブリッジス)の世話や、ママ(ジェニファー・ティリー)の足をマッサージしてあげることだ。ある日、ママがオーバードースで死んでしまう。ローズはノアとふたりでママの葬式すると、バスでノアの故郷テキサスへ行く。亡き祖母の家に着くと、ノアはマリファナを吸い"バケーション"に出てしまった。家の周りは見渡すかぎり金色の草原で、真ん中を1日に1回だけ列車が通る。探索の旅に出たローズは、黒ずくめの服を着た幽霊のような女(ジャネット・マクティア)と出会う。夜になり、お腹の空いたローズはパパに甘えるが、ノアは"バケーション"から戻らない。明くる日、空腹と孤独に襲われた彼女はなんとか父の気を引こうとするが、ノアはまったく反応しない。ローズは草原で遊んでいると幽霊女にまた遭遇し、彼女がまだ幽霊ではないことを知る。女はデルといい、弟のディケンズ(ブレンダン・フレッチャー)と二人で暮らしていた。手術で頭にイナズマ型の傷をもつディケンズは、精神年齢が10歳で止まっていた。ローズはディケンズに淡い恋心を抱き始める。次の日、ローズが目覚めると家の中は水でいっぱいで、草原は海と化していた。ディケンズの家まで草原を泳いで渡るが、そこでデルの秘密を目撃する。デルは昔、パパの恋人だったのだ。剥製職人のデルは、自分の母親の骸骨を大事に保管していた。ローズとディケンズの仲を察したデルはローズに挑みかかり、ローズは泣きながら家に逃げ帰る。その夜、草原で列車が事故を起こし、大惨事となる。世界の終わりがやって来たと思ったローズは現場に吸い寄せられ、生き残った乗客の女性から抱きしめられるのだった。