「記憶の棘」のストーリー
10年前、最愛の夫ショーンを突然失ったアナ(ニコール・キッドマン)は、心の傷が癒えるまで待ち続けてくれたジョゼフ(ダニー・ヒューストン)のプロポーズを受け入れることにした。数日後、アナのアパートに、10歳くらいの見知らぬ少年(キャメロン・ブライト)が入ってきた。少年は、自分がアナの夫ショーンの生まれかわりだと主張。驚きと怒りと困惑に駆られたアナは、少年を部屋の外につまみ出す。少年は今度は、ジョゼフとは結婚しないでほしいという手紙をアナの元に届ける。ジョゼフは、少年の父親が同じアパートの202号室で家庭教師をしているコンテ氏(テッド・レヴィン)であることを知ると、アナをつれて彼に会いに行く。ジョゼフから事情を聞き、驚いたコンテ氏は、その場で少年に二度とアナに近づかないと誓わせようとするが、少年は断固として従わなかった。別れ際、少年が崩れるように倒れるのを目にしたアナは、その姿に死の寸前の夫の面影を重ね合わせる。もしかしたら、彼は本当にショーンの生まれかわりかもしれないとアナの胸中は複雑に揺れ動く。そして次々と本人でなければ知らないことを言い当てていく少年に、その思いを少しずつ確信へと変えていく。少年を泊めさせたり、デートしたりと、彼への思いを強めていくアナ。そんなアナの態度に苛立ちをつのらせるジョゼフは、ある日アナの家族の前でショーンへの怒りを爆発させる。その行為をとがめるアナの冷たい視線にさらされ、いたたまれなくなった彼は出て行く。一方ショーンの親友だったクリフォード(ピーター・ストーメア)は、あの子はショーンじゃないと主張する。少年はショーンの生まれかわりなのだろうか。