解説
奈良県にある真言宗の古刹・當麻寺に伝わる伝説と大津皇子の史実をモチーフに、仏の教えに帰依する藤原南家の娘が非業の死を遂げた皇子の魂を鎮めるまでを描いた長篇人形アニメーション。監督は「ひさかたの天二上」の川本喜八郎。折口信夫の同名小説を基に、川本監督自身が脚色。撮影を「冬の日」の田村実と「SOSこちら地球」の伊丹邦彦、山屋恵司、今野聖輝、佐藤大和、「海女のリャンさん」の木村光男、『リボルバー |青い春|』の森英男が担当している。ヴォイス・キャスト主演に、「春の雪」の岸田今日子と「阿修羅城の瞳」の宮沢りえ。第79回本誌文化映画ベスト・テン第3位、第27回ぴあフィルムフェスティバル上映、日本映画ペンクラブ賞 文化映画第2位、第2005年ザグレブ国際アニメーション映画祭長編部門審査員特別栄誉賞受賞、2005年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞、文化庁芸術団体重点支援事業、東京都知事推奨、文部科学省選定作品。
ユーザーレビュー
「死者の書」のストーリー
8世紀中頃の奈良・平城京。仏の教えに帰依する大貴族・藤原南家の姫・郎女は、春の彼岸の中日、部屋から遠く望む二上山のふたつの峰の間に尊い俤びとの姿を見、『称賛浄土仏摂受経』の千部写経を発願。1年後の同じ日にそれを完成させると、何かに導かれるようにして當麻寺へと辿り着くも、女人禁制の結界を犯したとして万法蔵院の庵室で物忌みをすることになり、そこで當麻の語部の媼から持統天皇に謀反の罪を着せられ処刑、二上山に葬られた大津皇子の話を聞かされる。実は、彼女をここへ誘いたのは、死の直前に一目見た女性・耳面刀自の面影を郎女に見た皇子の亡霊だったのである。やがて、そんな皇子の亡霊が俤びとの姿と重なって見えるようになった郎女は、その寒々とした身を被う衣を作ろうと、蓮の糸で布を織り始め、織り上がった上帛の上に俤びとの姿を描き表し、皇子の魂を鎮めるのであった。
「死者の書」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「死者の書」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | アート |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2005 |
公開年月日 | 2006年2月11日 |
上映時間 | 70分 |
製作会社 | 桜映画社/川本プロダクション |
配給 | 桜映画社 |
レイティング | |
カラー/サイズ | カラー |
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2006年5月上旬号 | 日本映画紹介/外国映画紹介 死者の書 |