「春のめざめ(2006)」のストーリー
19世紀末、ロシアのとある町。貴族学校に通う16歳の少年、アントンはツルゲーネフの「初恋」を読み、女主人公のジナイーダに夢中。彼の家に住み込みで働く少女パーシャはそんな彼をからかう。パーシャは密かにアントンに恋心を抱いていた。それに気づいたアントンはパーシャとの愛の行方を夢想してみる。二人の間に本当の愛があれば何の支障も無いはずだ。しかし同級生のジェーニカは「パーシャは雑巾の女神。恋愛の対象になるような女ではない」と忠告した。彼の言葉に動揺するアントン。そんな時、アントンは隣の家に引っ越してきた令嬢セラフィーマに出会う。彼女は美しく高貴で女神そのものだった。セラフィーマに恋をしてしまうアントン。一方、御者との縁談を持ち掛けられたパーシャはショックを受け、アントンに愛を告白する。初恋の甘い興奮に翻弄されたアントンは、年齢も境遇も全く違う二人の女性・パーシャとセラフィーマの間を揺れ動く。清く精神的な愛を真剣に考えながらも、抑えきれない衝動が彼を身勝手で浅はかな行動へと駆り立てていく。そんな時、「教会に来てください」という内容が書かれた手紙がセラフィーマから届いた。アントンは生まれてはじめての逢い引きに身を投じるのだった。