「ブレス」のストーリー
極寒のハンソン刑務所の監房。刑の執行が間近となった死刑囚のチャン・ジン(チャン・チェン)はキリで喉を突き、自殺を図る。しかし彼は声を失っただけで、再び刑務所に送り返される。そこでは彼を愛する若い囚人(カン・イニョン)が彼を待っていた。しかしチャン・ジンは、生きることに何の未練もなかった。主婦ヨン(チア)は夫(ハ・ジョンウ)と幼い娘と一緒に、裕福な暮らしを送っていた。しかし浮気が発覚しても悪びれない夫に、彼女は怒りとやるせなさを覚える。そんな中彼女は、テレビのニュースでチャン・ジンの自殺未遂を知る。彼女は彼に不思議な同情を感じ、刑務所を訪れる。ヨンは、チャン・ジンの昔の恋人だと言い張り、保安課長(キム・ギドク)の許可を得て彼に面会する。見知らぬ女の訪問に戸惑うチャン・ジンに、彼女は9歳のときの臨死体験を話す。ヨンは自らの体験を語ることで、心が開かれるのを感じた。面会後、ヨンは彼に四季をプレゼントすることを思いつく。彼女は春には春の壁紙を貼り、春服を着て、春の歌を流し踊る。そして夏、秋と定期的にチャン・ジンの元を訪れる。死ぬこと以外に希望がなかったチャン・ジンはヨンを愛するようになり、死ぬことに恐怖を感じ出す。しかし2人の関係を知ったヨンの夫が、彼らの愛を邪魔し始めるのだった……。