解説
今でも現役で活躍する、県外の人から『芸州屋根屋』『芸州流』等と呼ばれる広島の茅葺き職人の姿や技術の全体像を追うドキュメンタリー。構成は「土徳-焼跡地に生かされて」「雪国木羽屋根物語」の青原さとし。出演は、東広島市志和堀唯一の茅葺き職人・石井元春ほか。広島県の山間地から瀬戸内海までの幅広い領域には、今でも茅葺きの民家が残っている。安芸高田市の茅葺き民家に暮らす100歳を越える老女は、集落すべて茅葺きだった時代を懐かしみ、庄原市の小さな集落に住む老夫婦は、夏は涼しく冬は暖かいと茅葺き民家の良さを語る。瀬戸内海・大芝島の老女は、船で茅屋根材料を運んだことをなつかしそうに語る。茅葺き民家は、どこか郷愁すら感じさせる。かつては広島市内の都市周辺ですら軒をつらね、明治時代後期から昭和30年代までに、広島の茅葺き職人が、関西、山口県、北九州などに大量に出稼ぎにいき『芸州屋根屋』という名を広め隆盛を極めたといわれている。しかし近年、茅葺き民家は急激に消滅の途をたどり、現在、県内には人が実際に暮らす茅葺き民家はわずか二百棟、茅葺き職人は数人のみとなった。農山漁村の人口の激減と高齢化、宅地造成化、ダム開発による集団離村などの非情なまでの時代の流れによって、いまや茅葺き民家は風前の灯火となった。本作では、東広島市志和堀唯一の茅葺き職人・石井元春が行う茅刈り、茅ヘギ、茅葺き、ハサミ入れなど屋根葺き替え作業の全工程を主軸に、県内各地の職人や生活者の証言を綴り、芸州屋根葺き技術の全体像をさぐる。また、50年以上前に芸州屋根屋が出向いた出稼ぎ先・山口県、北九州、京都、滋賀県など広範囲を訪ねる。浮かび上がってくる農村の営みの広大なひろがり。忘れられてゆく茅葺き民家にかけられた未来への願いとは……。
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ユーザーレビュー
「藝州かやぶき紀行」のストーリー
※本作はドキュメンタリーのためストーリーはありません。
「藝州かやぶき紀行」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「藝州かやぶき紀行」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 文芸 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2007 |
公開年月日 | 2008年5月31日 |
上映時間 | 90分 |
製作会社 | 新日放=Imagin |
レイティング | |
カラー/サイズ | カラー |