「ベティの小さな秘密」のストーリー
10歳の女の子ベティ(アルバ=ガイア)。父親(ステファヌ・フレイス)が院長を務める精神病院の隣りにある、大きな屋敷に住んでいる。姉は寄宿制の学校に入学し、家では父親と母親(マリア・ド・メデイルシュ)が口げんかをしている。そんな彼女にとって、犬のナッツが唯一のなぐさみとなっていた。しかしナッツは檻に囚われており、そこの管理人は、今週中に父親を連れてナッツを迎えに来なければ安楽死させると言う。火曜日の朝、父親が不安そうなためベティがその理由を尋ねると、昨晩病院から患者が逃げ出したという。庭の自転車小屋に行くと、木陰に若い男の人(パンジャマン・ラモン)が隠れ、震えていた。ベティはとっさに小屋に彼をかくまい、世話を焼く。その夜、父親と母親の口論を聞く中で、母親に恋人がいることに気付くベティ。彼女は小屋へ行き、青年に不安な気持ちを打ち明ける。彼は無口で名前も教えてくれないが、ベティは彼といると心が安らいだ。翌日、母親はいなくなっていた。父親にナッツを引き取りたいと頼んでも、いい返事は返ってこない。父親から逃げた患者の名前がイヴォンであることを聞き出したベティは、人目を盗んでイヴォンに食べ物や服を持っていく。木曜日、父親から、明日小屋の中の物をすべて処分すると聞いたベティは、イヴォンを逃がす決意をする。マルセイユまでの行き方をイヴォンに教え、別れ際、ベティは自分の髪留めを思い出にと渡す。金曜日、転校生の冗談を真に受けたとクラスの皆にからかわれ、ベティは泣きながら帰宅。誰もいない小屋の前で考え事をするベティ。ナッツの安楽死の期限は明日に迫っていた。絶望したベティが手首を切ろうとしたとき、外にはイヴォンがいた。家を出る決意をしたベティは、イヴォンと一緒にナッツを救出し、森で一晩を過ごす。翌朝、ベティはイヴォンとナッツと一緒に無人の屋敷に向かうが……。