「プラスティック・シティ」のストーリー
東洋人街として知られるサンパウロ市リベルダーデ地区。日系ブラジル人のキリン(オダギリジョー)はアマゾンのジャングルで両親を殺され、アジア系ブラジル人のユダ(アンソニー・ウォン)に育てられた。ユダはショッピングモールを経営し、キリンはそこでコピー商品を販売している。ユダは美女オチョ(ホァン・イー)と暮らし、リベルダーデの裏社会を牛耳っていた。しかし、実業家のミスター台湾(チェン・チャオロン)や政治家だったコエーリョ(アントーニオ・ペトリン)など新勢力が台頭してくる。ある日、商店街はコピー商品排除のための手入れを受ける。当初はユダ親子とコエーリョが打ち合わせした芝居だったが、突然ユダは黒幕として身柄を拘束される。ユダは監獄で度々命を狙われ、大怪我を負う。キリンはコエーリョを脅し、裏取引でユダは出所する。しかし、ミスター台湾がショッピングモールの筆頭株主になり、さらにユダの巨大な船と商品が没収されてしまう。キリンは、ユダを騙したかつて兄弟分だった男を刺殺する。ユダは船に火を放つ。キリンは殺人罪で収監され、恋人のリタ(タイナ・ミュレール)は彼の元を去る。ユダはキリンの出所と自分の引退を条件に、コエーリョとミスター台湾の前で敗北を認める。ある日、ユダを狙う銃声が響く。キリンの仲間の1人が彼をかばって犠牲になる。キリンはスラム街の少年を集め、復讐を誓う。しかし抗争の果て、ユダが全ての責任を取って収監される。キリンは街を徘徊し、死にかけていたところを友人のテツオ(フィリピ・ハーゲンセン)とマリオ(クローディオ・ジャボランディ)に助けられる。マリオはキリンに、ユダから託された袋を手渡す。中には3つの金塊とモノクロの写真が入っていた。キリンは写真の地名を辿ってアマゾンに向かうが、ジャングルで昔の記憶が戻り、ショックで意識を失う。キリンが目を覚ますと、殺されたはずのユダが現れる。ユダはキリンのナイフで自分の腹を刺し死んでいく。