スラムドッグ$ミリオネア
すらむどっくみりおねあ SLUMDOG MILLIONAIRE
解説
過酷な人生を駆け抜けてきた少年が、チャンスを掴み取るため世界最大のクイズショーに出演する。インドの作家ヴィカス・スワラップの小説「ぼくと1ルピーの神様」を、「トレインスポッティング」「サンシャイン2057」のダニー・ボイルが監督。脚本は、「フル・モンティ」のサイモン・ビューフォイ。世界各国の映画祭で多くの賞に輝き、アカデミー賞でも作品賞をはじめ8部門を独占した。インド版「クイズ$ミリオネア」のMC役は、インド映画界では大スターのアニル・カプールが演じ、他の俳優もほとんど日本では無名だが、それゆえに圧倒的なリアリティを感じさせられる。インドでオール・ロケーションされたイギリス映画。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
さすがダニー・ボイル。力があるねえ。
映画のタイトルと、少しの前情報からスラムの人がミリオネアで賞金獲得したが、権力側に捕まって、結局、獲得した賞金を不当に奪われてしまう映画、と思っていた。権力側に捕まったのは合っていたけど、話の展開自体がそもそも違っていた。
カメラはほとんど水平なアングルでは撮らず、傾いて撮られている。カメラが自由なのは「トレインスポッティング」でもそんな印象だ。
現在と過去をフラッシュバックさせながら話しを進めていく。フラッシュバックで主人公の過去が描かれていく。この手法が上手くて、映画を観進めていくことが出来る。そして過去が現在に追いついてくる。
なんでインドを舞台としたんだろう、と思っていたら、原作者はインド人でインド社会の問題を描いているかららしい。(ウェキおじさん談)
まあ、最後はインド映画らしい終わり方をして、ダニー・ボイルもインド映画に敬意を表しているのかな。
「スラムドッグ$ミリオネア」のストーリー
インドのスラム街に生まれ育ったジャマール(デーヴ・パテル)は、人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演していた。司会者であるプレーム(アニル・カプール)の挑発にも反応しないで、難解な問題の数々に冷静な対応するジャーマルは、とうとう最後の1問というところにまでたどりついた。正解すれば、賞金は2000万ルピー。18歳のジャーマルにとって、一生かかっても手にできない大金である。 危機を感じたプレームは、1日目の収録が終わったところで警察に通報してジャマールを拘束させた。拷問を受けるジャマールは、これまで過ごしてきた人生を告白する。彼と兄のサリームは、幼い頃に母を亡くして孤児となった。そんな二人が出逢ったのは、孤児の少女ラティカだった。彼らは自分たちを「三銃士」に見立てて、過酷な現実を生き抜いていく。しかし、孤児たちを搾取する大人たちのもとから逃げ出す途中で、兄弟とラティカは生き別れとなってしまった。ジャマールとサリームは、金を盗んだり観光ガイドのフリをして生き延びていくが、やがてサリームは悪の道を歩みはじめる。そんな兄とは対照的な生き方をするジャマールの心の支えはラティカだった。彼女と再会したい彼は、「クイズ$ミリオネア」への出演を決意したのだ。そんなジャマールの身の上話を聞いて同情した警部は、彼を釈放した。「ファイナル・アンサー」を答えるため、テレビ局のスタジオへと戻るジャマール。同じ頃、組織に監禁されていたラティカを救うため、サリームは自分の命を犠牲にしていた。最後の問題で、ジャマールは電話を使う「ライフライン」を使う。電話に出た相手は、なんとラティカだった。まるで運命のように、二人は再会を果たしたのだ。難問にも正解して、2000万ルピーを獲得するジャマール。彼の苦難に満ちたこれまでの人生は、ようやく報われた。
「スラムドッグ$ミリオネア」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「スラムドッグ$ミリオネア」のスペック
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