解説
死と生の意味を、父親と息子の関係を通じて描くファンタジー・ロマン。「SAYURI」「バベル」などハリウッド映画でも活躍、日本を代表する俳優のひとりである役所広司にとって、本作が映画監督デビュー作となる。主演の役所広司のほか、「アヒルと鴨のコインロッカー」「余命1ヶ月の花嫁」の瑛太、「かもめ食堂」「めがね」の小林聡美、本作が俳優デビュー作となる格闘技選手の澤屋敷純一、モデル出身の二階堂ふみ、「阿修羅のごとく」「しゃべれども しゃべれども」の八千草薫などが出演。撮影監督を「トラブル・イン・マインド」「クッキー・フォーチューン」などハリウッドでも活躍する栗田豊通、音楽を国際的にも評価の高いタブラトゥーラが手掛けている。
ユーザーレビュー
「ガマの油」のストーリー
1日の取引で数億円も稼いだり、損をしたりするデイトレーダーの矢沢拓郎(役所広司)。彼はプール付きの豪邸で、気立てのいい妻の輝美(小林聡美)と息子の拓也(瑛太)に囲まれ、何ひとつ不自由のない生活を楽しんでいた。しかし、悲劇は突然やってきた。拓也が自動車事故に遭って植物人間となってしまったのだ。いつも無邪気に感情を露にしている拓郎が、病院のベッドで眠る拓郎の前では、まったく無表情のままだった。悲嘆にくれる拓郎は、拓也の携帯電話に掛かってきた発信に思わず出てしまう。その相手は、拓也の恋人である光(二階堂ふみ)だった。拓也の現状を言い出しかねて、拓郎は拓也の振りをして光と会話した。祖母のちよ(八千草薫)と暮らす光は、すっかり拓郎を拓也と勘違いしてしまう。一方、少年院から出所した秋葉サブロー(澤屋敷純一)は、幼馴染みの拓也を頼って拓郎のもとを訪れた。そこでサブローが知ったのは、遂に死に至ってしまった拓郎の運命だった。その事実を光に伝えようとするサブローを止める拓郎は、二人で拓也の散骨のための旅に出る。拓郎には、遠い少年の日の思い出があった。それは、故郷で出会ったガマの油売り(益岡徹)の姿だった。どんな傷もたちまち治すのがガマの油ならば、いまの拓郎の心の空洞も埋めてくれるのだろうか?旅の途中で山に迷い込んだ拓郎たちは、野生の熊に出会う。逃れようとした拓郎は、谷に落ちて仮死状態に陥った。そこで拓郎は、拓也と再会する。幼い頃、両親と死に別れた拓郎だが、自分の息子とは再会することができた。仮死状態から甦った拓郎は、息子の死という悲しい事実をようやく受け入れる。そして、それを自分から光に伝えることを決意する。新たな一歩を踏み出した拓郎を、ガマの油売りはやさしく見守っていた。
「ガマの油」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ガマの油」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ファンタジー |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2008 |
公開年月日 | 2009年6月6日 |
上映時間 | 131分 |
製作会社 | 「ガマの油製作委員会」(ファントム・フィルム=ピラミッドフィルム=テレビ東京=ジェネオン エンタテインメント=衛星劇場=電通) |
配給 | ファントム・フィルム |
レイティング | 不明 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | ドルビーSRD |
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