解説
カンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞した「誰も知らない」の是枝裕和監督が、業田良家の短編漫画を映画化。心を持ってしまったラブドールの恋の行方を通して、空虚な現代人の姿と、生きることの喜びと悲しみを描くファンタジー。出演は「リンダ リンダ リンダ」のペ・ドゥナ。第62回カンヌ映画祭“ある視点”部門正式出品作品。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
ペ・ドゥナはなんでこの映画に出たんだろう。是枝監督は何故、彼女を選んだんだろう。これは、彼女が合わない、ではなくて、裸のシーン、しかも板尾創路とのシーンがあるなんて許せない。
ペ・ドゥナは山下敦弘監督「リンダ リンダ リンダ」、ポン・ジュノ監督「ほえる犬は噛まない」でファンになっちゃった。あのペ・ドゥナ、裸にならなくていいのに。でもダッチワイフの話だからなあ。そうすると日本の女優でも良かったのでは。それでも、この映画はペ・ドゥナの映画であった。
もともとダッチワイフが心を持ってしまって始まる話だから、現実味が無く、なかなか映画に入っていけない。それでも是枝監督は力で持って行く。ペ・ドゥナなくしては持たなかったかもしれない。心は持ったけど、頭は持たなかったのかな。人の言葉をその通りに受け取ってラストになっていく。
ラスト、空気人形は制作者の元に戻るかと思ったけど、違った。
あと、過食症・美希(ウェキペディアより)って登場人物達とどうからんでいたの?なんか、彼女のところだけ映画の筋と関係ないように感じた。
「空気人形」のストーリー
川沿いの小さな町。空気人形(ペ・ドゥナ)は、古びたアパートで持ち主の秀雄(板尾創路)と暮らすラブドール。空気だけで身体の中は空っぽの空気人形だったが、秀雄が仕事で留守のある日、瞬きをしてゆっくりと立ち上がる。軒先の滴に触れて“キレイ…”と呟き、秀雄が買ったメイド服を身に着けると、街中へ出てゆく。初めての町で様々な人間に出会う空気人形。戻らぬ母の帰りを待つ小学生とその父親。執拗に若さを求める女性の佳子(余貴美子)。死の訪れを予感する元国語教師の敬一(高橋昌也)。誰もが心に空虚さを抱えていた。レンタルビデオ店に立ち寄った彼女は、店員の純一(ARATA)と出会い、この店でアルバイトを始める。純一に自分と似た空虚感を感じ取った人形は、彼に惹かれていく。だが、店長の鮫洲(岩松了)から、“好きな人はいる?”と尋ねられると、“いいえ”と答えてしまう。それは、心を持ったがゆえについた嘘だった。彼女は、街で生活するうち、次第に自分のように空虚さを抱えた人間が数多くいることを学んでゆく。そんなある日、彼女は店で釘を引っかけて穴が開いてしまう。勢いよく人形の体から吹き出す空気に驚く純一。彼は必死に息を吹き込んで人形を救う。誰もいない店内。思わず2人は抱き合うのだった。愛する人の息で満たされ、幸福を覚える人形。だが、帰宅すればラブドールとしての秀雄との生活が待っていた。自分の運命にジレンマを覚える彼女は、秀雄が新しい人形を手に入れたことを知り、家を飛び出す。心を持ってしまったがゆえに傷つく人形。何故自分が心を持ったのか自問自答を繰り返し、生みの親である人形師の園田(オダギリジョー)のもとへ。園田の家で、回収された人形たちを見て、心を持つことの意味を理解する。彼女は、園田に感謝の言葉を告げると、純一の元へ向かうのだった。
「空気人形」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「空気人形」のスペック
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