解説
根深い対立の続くイスラエルとパレスチナ自治区を舞台に、骨髄移植の必要なパレスチナ人の赤ん坊を救おうとする母親とイスラエル人医師たちの交流を通じて、命の価値を問いかけるドキュメンタリー。トロント国際映画祭など世界中の映画祭で上映され、イスラエル・アカデミー賞では最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。
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「いのちの子ども」のストーリー
ガザ地区で20年以上取材を続けてきたイスラエルのテレビ記者エルダールは、テル・アビブ郊外の病院に勤務するイスラエル人医師ソメフから協力要請を受け、骨髄移植が必要なパレスチナ人の赤ん坊ムハンマドを救うためにテレビで寄付を呼びかける。パレスチナとイスラエルの関係上、不可能と思われた予想を覆し、無事に寄付は集まった。続いて骨髄提供者を選ぶために、ムハンマドの家族、親族を検査する。その結果、従姉の一人が適合者と判明したものの、ちょうどガザで大規模な爆破事件が発生。検問所まで来ていた従姉は、イスラエルに入国できなくなってしまう。3日後、従姉はようやく検問所を通過。手術はひとまず成功し、ムハンマドが入院していた4ヵ月間、エルダールとラーイダは対話を繰り返す。やがて、イスラエル人のエルダールとパレスチナ人のラーイダのエルサレムを巡る考え方の相違も明らかになってゆく。さらには、イスラエル人に助けられたことで、ラーイダ親子がパレスチナ人たちから裏切り者と思われているという事実も……。イスラエル人に対する感謝とパレスチナ人としてのアイデンティティー、そして母親としての想いで板挟みになったラーイダの葛藤を知るエルダール。やがて、ムハンマドは回復。彼らがガザ地区に帰る日、ソメフは言った。“いつかムハンマドと私の息子が一緒に遊ぶようになってほしい。”3ヶ月後、再びガザで紛争が勃発。停戦の一週間後、ムハンマドの容体が急変。数日間待たされてやっと検問所を越えたラーイダは“半年間一緒に過ごした私たちをイスラエル人が傷つけるはずはないと思っていた”と語った。4ヶ月後、出産のため夫とともに再び病院を訪れたラーイダとムハンマドを、エルダールはエルサレムに案内する。ムハンマドはヘブライ語で“ありがとう”という言葉を口にした。最後にエルダールが尋ねると、ラーイダは答えた。“この子の命は尊い”。
「いのちの子ども」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「いのちの子ども」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 社会派 |
製作国 | アメリカ イスラエル |
製作年 | 2010 |
公開年月日 | 2011年7月16日 |
上映時間 | 90分 |
製作会社 | Bleiberg Entertainment=Origami Entertainment=Jasmine |
配給 | スターサンズ |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | 1:1.78 |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | 不明 |
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