解説
独身を通してきた一人の修道女の姿を通して、40代という人生の転換期に差し掛かった女性の心の動きを描く。短編「大地を叩く女」でゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門グランプリを受賞した井上都紀監督が、同映画祭の支援を受けて製作した長編デビュー作。主演はミュージシャンとして活躍する柴草玲。
ユーザーレビュー
「不惑のアダージョ」のストーリー
紅葉が深まる晩秋の街、小さな教会から讃美歌が聞こえる。参列する人々、その中にオルガンを弾く1人の修道女、真梨子(柴草玲)がいた。若き日に神職に身を捧げて以来、規律に従い、穏やかに生きてきた。だが、40歳を迎えた彼女は、誰にも言えない“からだ”の変化を抱えていた。それは、人よりも早く訪れようとしている更年期。結婚や出産、家族…それまで一線を引いていた会話が耳に入ってくる。初めて感じる心の揺らぎに、戸惑いを覚える日々。ある日、神父に呼ばれ、村岡という男性に手紙を渡すように頼まれる。家族との確執を持つ息子へ、入院中の母親から託された手紙だったが、村岡は受け取ろうとしない。さらに、村岡の元へ通う真梨子の後ろを、最近教会に通い始めた同年齢の立本という男が尾行する。立本は真梨子に相談を持ちかけるが、真梨子は彼に不信を抱く。その一方で、教会に通ってくる女性から、バレエ教室のピアニストを依頼される。日々の鬱屈から抜け出すように、バレエ教室へ足を運ぶ真梨子。そこには、日々トレーニングを積む清らかなバレエダンサーたちの姿があった。自らの世界と似た厳粛さを感じ、ピアニストを引き受ける真梨子。教室へ通ううち、次第に演奏する楽しさを見出してゆく。静かな日常の中に音楽が生まれ、いつしかそこには一人の男性ダンサー(西島千博)を見つめている自分がいた。異なる男性と出会い、真梨子は40歳にして変化を迎えてゆく……。
「不惑のアダージョ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「不惑のアダージョ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2009 |
公開年月日 | 2011年11月26日 |
上映時間 | 70分 |
配給 | ゴー・シネマ |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | 不明 |
カラー/サイズ | カラー |
音量 | 不明 |
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