「ハンター(2011)」のストーリー
百戦錬磨の傭兵として世界中を渡り歩いてきたマーティン・デヴィッド(ウィレム・デフォー)は、バイオ・テクノロジー企業であるレッドリーフ社の依頼で、オーストラリア・タスマニア島を訪れる。目的は、タスマニアタイガーの生き残りを見つけ出し、その生体サンプルを採取するというものだった。タスマニアタイガーは70年以上前に絶滅したとされているが、その目撃情報を入手したレッドリーフ社はライバルを出し抜くために、凄腕のハンターでもあるマーティンを送り込んだのだ。現地ガイドのジャック・ミンディ(サム・ニール)が用意したベースキャンプは古めかしい木造の民家で、利発な少女サスとその弟バイク、体調不良で寝たきりの母親ルーシー(フランシス・オコナー)のアームストロング家が住んでいた。動物学者で環境保護活動に熱心な父親ジャラは数ケ月前に森へ向かい、消息を絶ったという。発電機が壊れ、お湯も出ない家にうんざりしたマーティンは、町のバーに立ち寄って貸し部屋を探す。しかし、森林伐採を生業とする地元の労働者たちはマーティンをエコロジストだと決めつけ、敵対心をむき出しにする。非合法ハンターの素性を隠して研究者を装うマーティンは、仕方なくアームストロング家に身を寄せる。マーティンは、ガイド役を申し出るミンディを途中で帰し、ひとりで大自然の奥深くへ入っていく。森や草原に動物用のトラップを設置する12日間の調査を何回か繰り返し、タスマニアタイガーの痕跡や行動範囲を特定するつもりだった。しかし1回目の調査で謎めいた銃声を聞き、2回目は人為的に破壊された鉄製トラップを見つける。他人と一切関わらず、冷たい人生を送ってきたマーティンだったが、アームストロング家の子供たちと触れ合ううち、心に変化が訪れる。やがてこの仕事に疑念を持ったマーティンは、密かに近づいてくる脅威との闘いを強いられ、人生最大の決断を迫られる。