「戦場(1978)」のストーリー
1964年、南ベトナムには約1万2千の米兵が軍事顧問団という名目で配備されていた。ペナンの軍事援助司令部(MAAG)では、司令官バーカー(バート・ランカスター)が、副官オリベッティ大尉(マーク・シンガー)に呼ばれたコーシー伍長(クレイグ・ワッソン)、バーカーとは朝鮮以来の戦場仲間のオレオノウスキ軍曹(ジョナサン・ゴールドスミス)、愛国者でナイーブな将校ハミルトン中尉(ジョー・アンガー)ら数名の新兵と面通していた。バーカーは彼らに、かつてインドシナ戦争で重要な拠点となった南ベトナムの奥地、マック・ワでの要塞建設の命令を伝えていた。翌日、ハミルトンを隊長にコーシー、オレオノウスキ、衛生兵アックリー(ジョン・メグナ)の米軍側に加えて、通称『カウボーイ』(エバン・キム)に率いられたベトナム人傭兵・農民による混成部隊がマック・ワに向って出発した。ゲリラの襲撃にもめげず、一隊は無事にマック・ワに辿りつく。そのうち、赤痢にかかったハミルトンに代ってオレオノウスキと地形に詳しいカウボーイが実質的指揮をとるようになる。最初のベトコンとの銃撃戦で、味方のベトナム兵を救出しようとしたハミルトンが敵の十字砲火を受け、自責の念にとらわれたオレオノウスキは自決する。先遣隊の連絡を受けたバーカーは、オリベッティを指揮官としてマック・ワに派遣するが、それから間もなくして、ベトコンの大軍がマック・ワ付近へ押し寄せるという情報が入る。しかもそれには、マック・ワからのアメリカ兵総引き揚げが至上命令として含まれていた。マック・ワに飛んだバーカーは動揺するベトナム人たちを前に、苦しい決断を伝える。しかし、この決定に不満のコーシーは、ベトナム人を見殺しにはできないとして、マック・ワに踏みとどまる決心をする。やがてヘリが多くの米兵たちをのせて飛び去った後、コーシーの他に男の影が浮かびあがった。それは、コーシーの気持ちに打たれたバーカーの姿だった。しかし、ベトコンの攻撃は過激だった。必死の抵抗もむなしく、遂にバーカーは命絶えるのだった。全滅したベトナム人の遺体が散らばる中、たった1人生き残ったコーシーが、ただ戦争のむなしさを嘆き茫然と立ちつくすのだった。