キタキツネ物語 35周年リニューアル版
きたきつねものがたりさんじゅうごしゅうねんりにゅーあるばん
解説
1978年に230万人を動員したヒット作を、映像、音声ともにリニューアル。当時の未公開分を含め、劣化の激しいフィルムは最新技術で修復した上で再編集。声の出演も一新し、「終戦のエンペラー」の西田敏行、「天地明察」の佐藤隆太、「涼宮ハルヒの消失」の平野綾を起用した。監督は、オリジナル版で助監督を務めた三村順一。
ユーザーレビュー
「キタキツネ物語 35周年リニューアル版」のストーリー
雪と氷に閉ざされた北海道オホーツク。遥か北から、流氷に乗って1匹のキタキツネがやって来た。その様子を、ブリザードに晒されながら立つ1本の“柏の木”が見つめる。アイヌ語で“赤い獣”の意味を持つフレップという名のそのキタキツネは、この北の大地で愛する妻レイラと出会い、家庭を築くことを決めた。やがて春になり、5匹の子宝に恵まれたフレップは、子どもたちに惜しみない愛情を注ぐ。だが、彼らの命は数々の危険に晒されていた。雪解けとともに始まる人間たちの狩猟で傷つき、夏はスコールによって最大の武器である聴覚と嗅覚を奪われて食料の確保ができなくなり、飢えに襲われる。食べ物を求めて人間の土地へ足を踏み入れれば、罠が待ち受ける。冬には一面の雪が豊かな自然を覆い隠す。過酷な環境の中、フレップは家族を守るために戦うが、時に環境は大切なものを容赦なく奪い去って行く。生まれつき視力の弱い末っ子のチタニは、母が話してくれるフレップの冒険譚に憧れ、やがて暗い世界に飛び出し、そのまま行方不明となった。食料を探しに出て人間の罠にかかった妻のレイラは、その傷が元で命を落とす。愛する妻と息子を失った悲しみに暮れるフレップだったが、残された4匹の子どもたちを守って戦い続けなければならなかった。やがて、短い夏が終わろうとする頃、フレップと子どもたちはついに別れの時を迎える。“もうここへ帰ってきてはダメだ。自分で生きろ!” と、突如として子どもたちに対して牙を剥くフレップ。子どもたちは戸惑うが、やがてどうにもならないことを悟り、生まれ育った家を後にする。苦しく、悲しくも、深い愛に包まれた子別れの儀式を成し遂げたフレップは、使命を終えたことに安堵と喪失感を覚える。もはやこの地に未練はない。再び雪と氷の季節がやってきたとき、フレップは流氷に乗り、凍てつく海へと漕ぎ出して行く。吹雪がこだまするオホーツクの遥か果てを目指して。
「キタキツネ物語 35周年リニューアル版」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「キタキツネ物語 35周年リニューアル版」のスペック
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
2013年10月下旬号 | UPCOMING 新作紹介 「キタキツネ物語【35周年リニューアル版】」 |