解説
この作品のレビュー
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ミャーノフ大佐
監督の若松節朗と言う人は「空母いぶき」や「Fukushima 50」などという保守・反動層が喜ぶ映画を作っているので、この映画もそういう色がついた映画になっているのではないか、と危惧しながら観た。
結果、よく出来た映画だった。若松は映画の作り方をちゃんと知っている人だ。構図といい、各カットやシーンの尺の長さがしっくりとくる。変なカメラワークもしていないし、時代劇らしいしっかりとした絵に仕上がっていた。
時代背景が江戸末期から明治4年まで。桜田門外の変で井伊直弼を警備していた主人公が直弼が殺され、切腹することも許されず、襲撃犯の首を持ってくるように命令される。そして襲撃犯を十数年探し続ける。その間に時代は江戸から明治に変わってしまう。主人公の金吾役を中井貴一、敵役の佐橋十兵衛を阿部寛が演じている。また、脇に中村吉右衛門や藤竜也、津嘉山正種を置いてそこそこの布陣で撮っている。お金もそこそこ掛かっているようだ。製作は、例によって製作委員会を作っていろいろな会社がお金を出し合っているようだが、主幹は何処なのだろう。撮影は松竹撮影所で行っているようだが東映京都も使っている。昔だったら信じられない。
主人公を演じる中井貴一は良いとして、阿部寛は背が高いのと、体型が今風の体型なんで時代劇はどうかなと思ったがきちんと演じていた。主人公金吾の妻役セツ役を広末涼子が演じているが、やっぱりダメだ。最初観た時はきれいな人で誰だろうと思ったが広末と気がついた。彼女は若い頃は可愛かったが、年を取ると険が出てきてなんか般若みたいな顔になっている。それに彼女、基本演技が下手くそだ。若い頃ちやほやされすぎて演技を勉強せずに男遊びばかりして今に到っているから、表現力が全然無い。表情や仕草がパターン化している。彼女が良かった映画は「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」の悪女だけだった。後、子役がダメなのはしょうがないか。セツが働く茶屋の若い同僚が、これが画面から浮きまくっている。なんでこんな不細工なグループAKB48の人間を使ったのだろうか。昔の映画だったら大部屋の女優を使っていたろうに。どこかの劇団の無名の役者を使った方がよっぽど良い。大根を使うのも集客のためか。
映画の中で2カ所ほど後景にビルが移っていたような気がしたが、気のせい?
「柘榴坂の仇討」のストーリー
「柘榴坂の仇討」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「柘榴坂の仇討」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 時代劇 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2014 |
公開年月日 | 2014年9月20日 |
上映時間 | 119分 |
製作会社 | 「柘榴坂の仇討」製作委員会(木下グループ=デスティニー=バンダイビジュアル=松竹=Boreti Holdings=塚田農場=ツネイシグループ=HRコンサルティング=アイセイ薬局=たねやグループ)(制作プロダクション デスティニー/特別協力 松竹撮影所) |
配給 | 松竹 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | 5.1ch |
コピーライト | (C)2014映画「柘榴坂の仇討」製作委員会 |
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