解説
「嘆きのピエタ」のキム・ギドク監督による群像サスペンス。謎の集団がある少女殺人事件の容疑者たちを次々と誘拐し、事件の真相に迫る。主演は「群盗」のマ・ドンソク。また、「春夏秋冬そして春」のキム・ヨンミンが一人8役を演じる。他の出演は、「パイレーツ」のイ・イギョン、「ストーン」のチョ・ドンイン。
映画館で観る
配信で観る
TVで観る
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
-
映画・漫画評論家小野耕世初めてアメリカに行ったとき、ニューヨークで米陸軍払いさげのコートを買って着ていたが、この映画の韓国人自警団員みたいな人たちもUS陸軍の服を着て権威づけをしている... もっと見る
-
映画ライター中西愛子人間の業をどこまでも深く見つめ、シンプルな話術で、かつ暴力的な威力のこもる映画を撮り続けるキム・ギドク。本作は、個をつきつめた先に辿り着いた、人間社会という巨大... もっと見る
-
映画批評萩野亮開巻まもなく殺害される少女ミンジュの名は「民主」から採られているという。殺人と私刑の民主主義なき世界。この監督のこれまでの作品にも増して政治的な寓意が色濃く、血... もっと見る
「殺されたミンジュ」のストーリー
とある5月。ソウル市内の市場のなか、女子高生ミンジュは、彼女を追う屈強な男たちから必死に逃げ惑っていた。しかし次第にミンジュは追い詰められ、路地の片隅で顔にテープを巻かれ、叫ぶ間もなく無残に殺される。その事件は新聞にも載らず、誰にも知られることもなく闇に葬り去られた。事件から1年後、リーダーの男(マ・ドンソク)に率いられた謎の集団が、ミンジュの死の真相を執拗に追い始める。ミンジュ殺害にかかわった7人のうちの1人(キム・ヨンミン)を誘拐した集団は、男に拷問を加え、事件の日のことを執拗に問いただす。恐怖と自責の念に襲われた容疑者は全面的に自白し、許しを請う。謎の集団は変幻自在に変装して、事件の容疑者たちを次々と誘拐し、自白を強要していく。やがて謎の集団は、容疑者たちの背後に国家という強大な力が迫ってくるのを感じ、徐々に結束と平静さを失っていく。そして、最後の一人にたどり着いたとき、顔の見えない誰かの命令で動いた駒に過ぎなかったことを知らされる。この国は少女だけでなく、最もかけがえのない良心さえ失っていた。謎の集団のリーダーは、美しいソウルの街を見下ろす丘に立ち、一人痛哭する。
「殺されたミンジュ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「殺されたミンジュ」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | 韓国 |
製作年 | 2014 |
公開年月日 | 2016年1月16日 |
上映時間 | 122分 |
製作会社 | Kim Ki-Duk Film |
配給 | 太秦 |
レイティング | R-18 |
カラー/サイズ | カラー |
公式サイト | http://www.u-picc.com/one-on-one/ |
コピーライト | (C)2014 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved. |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
2016年2月上旬号 | REVIEW 日本映画&外国映画 公開作20作品、60本の批評 「殺されたミンジュ」 |
2016年1月下旬号 | UPCOMING 新作紹介 「殺されたミンジュ」 |