顔のないヒトラーたち
かおのないひとらーたち LABYRINTH OF LIES- 上映日
- 2015年10月3日
- 製作国
- ドイツ
- 制作年
- 2014
- 上映時間
- 123分
- レーティング
- PG-12
- ジャンル
- ドラマ
解説
戦時中にナチスが犯した罪をドイツ人自ら裁き戦争責任に向き合う契機となった1963~1965年のアウシュヴィッツ裁判開廷までの道のりを、事実に基づき描いた人間ドラマ。戦後十数年が経ち戦争を過去のものとする雰囲気に包まれる中、ナチスの罪を浮かび上がらせようとした検察官たちの苦闘に迫る。監督は俳優としても活躍するイタリア出身のジュリオ・リッチャレッリ。本作が長編映画初監督作品となる。主演は「ゲーテの恋~君に捧ぐ『若きウェルテルの悩み』~」のアレクサンダー・フェーリング。ほか、「ハンナ・アーレント」のフリーデリーケ・ベヒトらが出演。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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89bubble93
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ミャーノフ大佐
映画の時代設定が1958年、裁判の開始まで約6年間の期間だ。当時、西ドイツではナチスの暗黒時代を忘れて戦後復興を行っていた頃だろう。そこでアウシュビッツの看守達が検察の調査で告発され裁判が開始されるまでの映画だ。
日本でも昭和31年(1956年)の「もはや戦後ではない」と戦争を忘れるような世論となっていった。
この映画で重要なのは、西ドイツが改めて自ら戦争犯罪を裁いたことだ。これによりナチスの残渣を拭い去っていった。一方、日本は自ら戦争犯罪を裁くことはしないで、東京裁判で有罪になった犯罪者達も死刑を逃れた連中は、その後復帰して総理大臣他政治家や名士となって日本社会に戦前の軍国主義的な思想を温存した。徹底的な違いはここでしょ。日本は島国なので、一般国民は他国侵略が海の外であり、米軍による空襲しか記憶にないので被害者と思っている点もあるだろう。ドイツはヨーロッパ大陸での戦争であり、被害者がドイツ国内にも大勢居た、というのもあるだろう。そしてナチスの犯罪者達を追うイスラエルのモサドみたいな組織も日本に対してはなかったし。それでもやっぱりドイツと日本の差を思わずにいられない。その流れが今、日本で外国人排斥を叫ぶバカどもをのさばらせているのだろう。
そうそう、この映画で気になった点が一つ。映画の途中で、母親が何かプレゼントを持ってきて、それを開けもせずそのまま机の引き出しにしまった。何か伏線かと思ったんだが、その後、最後までその紙包みが出てこなかった。あの中身はなんだったの?
「顔のないヒトラーたち」のストーリー
1958年、西ドイツ・フランクフルト。第二次世界大戦が終わってから十数年が経ち、西ドイツは西側諸国との結びつきを強くして経済復興を成し遂げようとし、大半の人々は戦争は過去のものとして当時の記憶も自分たちが犯した罪も忘れ去ろうとしていた。そんな中、あるジャーナリストがかつてアウシュヴィッツ強制収容所にいた元親衛隊員が規定を破り教職についていることを突きとめる。上司の制止も聞かず、新米検察官のヨハンはジャーナリストのグニルカや強制収容所の生き残りであるユダヤ人シモンとともに調査を開始。様々な妨害にあいながらも、検事総長バウアーの指揮のもと、生存者の証言や実証を得ながらナチスがアウシュヴィッツで犯した罪の詳細を明らかにしていく。
「顔のないヒトラーたち」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「顔のないヒトラーたち」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | ドイツ |
製作年 | 2014 |
公開年月日 | 2015年10月3日 |
上映時間 | 123分 |
製作会社 | Claussen Wobke Putz Filmproduktion, Naked Eye Filmproduktion |
配給 | アットエンタテインメント |
レイティング | PG-12 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
音量 | ドルビーSRD |
公式サイト | http://www.kaononai.com/ |
コピーライト | (C) 2014 Claussen+Wöbke+Putz Filmproduktion GmbH / naked eye filmproduction GmbH & Co.KG |
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