解説
ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクーらの作品で音楽を担当する半野喜弘の監督デビュー作。過去を隠し、別人として暮らす男。ある夜、同僚が家にやって来て無理やり女を預けていく。次第に惹かれていく二人だったが、哀しい運命の皮肉が待ち受けていた……。出演は、「るろうに剣心」シリーズの青木崇高、「天の茶助」の大野いと、「セトウツミ」の岡山天音。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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映画評論家北川れい子湿気を含んだ焼きの濃い映像。頑なな男が発する重苦しい沈黙。無防備に男の日常に侵入してくる謎の女。男は小さな工場で働いているが、仕事以外はほとんど喋らない。やがて... もっと見る
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映画文筆系フリーライター、退役映写技師千浦僚主人公の過去と女との因果判明に失速感があるが、謎は明かされねばならず、仕方ない。映像と美術にパワーがある。青木崇高が良い。やはり映画「怒り」なぞ殺菌された商品。... もっと見る
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映画評論家松崎健夫映画前半、台詞に頼ることなく描写を積み上げることで、主人公の人となりを表現しようとしていることが窺える。彼の人生における“ノイズ”を表す... もっと見る
「雨にゆれる女」のストーリー
“飯田健次”と名乗り、完璧な別人を演じている男(青木崇高)。勤務先の工場で真面目に働いているが、人との関わりを拒む彼の過去を知る者はいない。ある夜、同僚の下田(岡山天音)が家にやってきて、惚れた女が男から逃げたいと言うので匿ってほしいと頼む。健次は断ろうとするが、最後には渋々引き受ける。工場に警察がやってきて、工場で盗みを働いた下田が捕まったと伝えられる。理美と名乗るその女(大野いと)も正体は謎に包まれていた。健次は、理美の前では偽装をやめるようになる。ある夜、過呼吸を起こした理美を健次が抱きしめて介抱し、二人の距離が縮まる。理美に求められ、健次は自分のことや理美と同じ名の亡くなった姉のことを語り出す。釈放された下田が理美を連れて行こうとするが、健次との親密さに激怒する。理美は下田をつっぱねる。ある雨の日、理美はナイフを手に、27日だけが四角で囲まれたカレンダーを見つめる。帰って来た健次に、「くぼかわのりおって誰?」と理美が詰め寄る。健次は白を切るが、問い詰める理美にうろたえながら家を飛び出す。家に戻らない健次を心配した理美が工場にやってくる。健次に追い返されるが、それでも待とうとすると、業者の二人組が理美に絡んでくる。たがが外れた健次はものすごい剣幕で男たちに暴力をふるい、工場をクビになる。そして二人の過去が明かされていく……。
「雨にゆれる女」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「雨にゆれる女」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ラブロマンス サスペンス・ミステリー |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2016 |
公開年月日 | 2016年11月19日 |
上映時間 | 83分 |
製作会社 | 企画・製作プロダクション:オフィス・シロウズ |
配給 | ビターズ・エンド |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://www.bitters.co.jp/ameyure/ |
コピーライト | (C)「雨にゆれる女」members |
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