解説
小泉今日子と二階堂ふみをダブル主演に迎えた「ジ、エクストリーム、スキヤキ」の前田司郎監督作。退屈な日々を送る女子高生・果子の前に18年前に死んだはずの伯母・未来子が突然戻ってきたことで、特別な時間へと変わってゆく果子のひと夏を綴る。共演は「きみはいい子」の高良健吾、「サムライフ」の山田望叶、「禁忌」の兵藤公美、「ストロボ・エッジ」の山田裕貴、「はなくじらちち」の黒川芽以、「夫婦フーフー日記」の梅沢昌代、「父の結婚」の板尾創路。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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評論家上野昻志タイトルまでが長すぎる。と感じるのは、二階堂ふみが立っているショットが長いからだ。そのあとの寝床で立ったまま赤ん坊を眺めているショットも同じで、作り手の思い入れ... もっと見る
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映画評論家上島春彦一番いいのはタイトル。爆弾製造犯という発想が昔懐かしく、ネタバレになるので詳しく書けないが「過去」が騒々しく「現在」に乱入してくる作劇が面白い。でも実は今、予告... もっと見る
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映画評論家モルモット吉田〈女はつらいよ〉とばかりに死んだはずの小泉が食堂を営む女系家族のもとに帰ってきて何事かを企むがそれが何かは遂に明かされない。雰囲気だけに依存した映画が横行する中... もっと見る
「ふきげんな過去」のストーリー
大都会と下町が隣接する北品川。いかにも不機嫌そうな果子(二階堂ふみ)が運河を睨んでいる。毎日が死ぬほど退屈でつまらない女子高生の果子。だがそこから抜けだして他に行くこともできず無為に日々を過ごしていた。そんな夏の日の午後、果子たち家族の前に18年前に死んだはずの伯母・未来子(小泉今日子)が「あたし生きてたの」と突然戻って来る。古びた食堂、エジプト風豆料理屋『蓮月庵』を営む果子の祖母サチ(梅沢昌代)と母サトエ(兵藤公美)、そしてなにもしない父タイチ(板尾創路)は、未来子との奇跡の再会に慌てふためき涙する。そんな家族の様子を、果子は小学生のいとこのカナ(山田望叶)とともに冷めた目で見つめるのだった。未来子は果子の母の姉だが、果子が赤ん坊の頃に爆破事件を起こし前科持ちとなり、死んだはずだった。爆弾作りに生きがいを感じ生業にする未来子にとって、死んだままでいることが都合良かったのだという。戸籍もなく何かに追われているらしい未来子は「しばらく匿ってよ」と告げ、家族は果子の部屋に未来子を居候させようとする。果子は納得いかず、しかも父と未来子が何やら怪しい関係に見え、母も未来子に対して気まずそうであった。突然現れた未来子がもたらした家族の不協和音と、全体的に図々しい未来子に苛立ちを隠せない果子だったが、「みんな寂しいんじゃない?一人で居ても家族と居ても」という未来子の言葉に果子は救われる。実は果子は、家族に対し微妙な違和感があり、さらに同級生とのささやかなトラブルを抱えていたのだった。鬱屈とした夏を過ごしていた果子は、商店街の喫茶店に通ってはその店に出入りする黒い帽子を被った謎の男・康則(高良健吾)を観察することで退屈をしのいでいた。彼だけは、ここではない世界へ連れて行ってくれるのではないかと空想しながら……。そんな中、「叔母さん、なんで死んだの?」と問いかける果子に未来子は「あんたと同じでつまらなかったの」と応える。見えるものばかり見ても仕方がない、という未来子に眩い生き生きとした世界を見てしまう果子。そして未来子は自分が果子の本当の母親だというのだが……。
「ふきげんな過去」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ふきげんな過去」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2016 |
公開年月日 | 2016年6月25日 |
上映時間 | 120分 |
製作会社 | 「 ふきげんな過去 」製作委員会(キングレコード=東京テアトル)(企画・製作幹事 キングレコード/制作 東京テアトル/制作協力 キリシマ1945)) |
配給 | 東京テアトル |
レイティング | 一般映画 |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://fukigen.jp/ |
コピーライト | (C)2016「ふきげんな過去」製作委員会 |
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