観る前はポスターから不安はあったんだよな。でもシドニー・ルメットだから。
映画の始まり、クレジットでモータウンが作っているんだ、クレジットが洒落ている。脚本はジョエル・シュマッカー、ほう!で監督はシドニー・ルメット。期待するよね。
ダイアナ・ロス演じるドロシーは内気な幼稚園の教師。ハーレムで叔父さん、叔母さんと暮らしている。冬の夜、外に逃げ出した犬のトトを追いかけて、吹雪に巻き込まれてオズの国に来てしまう。そう「オズの魔法使い」の焼き直し。出演者を全て黒人にして、時代も現代にしている。まあ、それは良いでしょう。まず、内気なドロシーがオズの国に行ったらなんであんなに跳んだりはねたり踊ったりしているの?全然内気じゃないじゃん。それから、各シーンで犬は何処へ行った?どうした?って気になるんだけど、何故かシーンの最後にはいるんだよね。シーン中は完全に犬を無視しているのに。ミュージカル仕立ては良いんだけど、明らかに歌を歌い始めると、アフレコと判るような音の繋ぎが悪い。
各シーン、切り取ってそこだけ観ると楽しいだろうなあ、と思うけど、これが繋がった映画となると、連続性がブツブツ切れるし、映画として早く終わらないかなあ、と思ってしまった。ラスト近くなんかダイアナ・ロスのアップ正面での歌唱を撮しているんだから何をかいわんや、である。モータウンで作っているなら、もっとたくさんスターを出せば良かったのに、まだ後年ほど売れていなかったマイケル・ジャクソンのみで他のスターは出ていない。ダイアナ・ロスの露払いなんかいやだ、といって出なかったのかな。大体、ダイアナ・ロスはそんなきれいじゃないのに主役をやらせるのはどうなの?(ルッキズム批判が来そう)
ダイアナ・ロスは「ビリー・ホリデイ物語/奇妙な果実」で映画に出た時、この映画を批評していた人は「もともと、彼女がソロになって、売り出したくて(プロデューサー?が)映画を作った」なんていっていたのを記憶している(映画の評価は良いみたいだけど)。 映画を観てしまった時間を返せ!