解説
狼を愛するようになった女性が野生化してゆく姿を描き、サンダンス映画祭で話題を集めたドイツ映画。嫌な上司のいる職場と自宅の往復を繰り返し、単調な日々を過ごすアニアは、ある日見かけた狼に激しく魅かれ、自宅で一緒に生活するようになるが……。メガホンを取ったのは、「バンディッツ」や「トンネル」などで女優として活躍したニコレッテ・クレビッツ。主演は「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」のリリト・シュタンゲンベルク。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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映像演出、映画評論荻野洋一一歩間違えると能天気な獣姦ポルノにもなる題材を、ドイツ的と断定してよいかはともかく、とにかく生真面目にアイデンティティ危機の寓話として物語る。作者の姿勢は生硬だ... もっと見る
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脚本家北里宇一郎おとなしく地味目の存在の女性が公園で狼に遭遇。捕獲して、自分の部屋で飼育する。彼女はやがて野生に目ざめ――てな話がホラー調じゃなく、大マジメに展開されて。ちょっ... もっと見る
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映画ライター中西愛子職場と自宅の往復生活を地味に送る若い女性が、近所で一匹のオオカミを見かけたことから、心に野性を目覚めさせる。女性の日常を淡々と描く前半はなかなかよいと思った。が... もっと見る
「ワイルド わたしの中の獣」のストーリー
職場と自宅の往復を繰り返すだけの無機質な日々を送るアニア(リリト・シュタンゲンベルク)はある日、自宅のマンション前に広がる森で、一匹のオオカミを見かける。オオカミは彼女をじっと見つめ、森の中に姿を消した。嫌な上司ボリス(ゲオルク・フリードリヒ)にこき使われ、冴えない日々を過ごしていたアニアは、初めて触れる“野性”に心かき乱し、激しく惹かれていく。次第にオオカミに執着するようになった彼女は、あらゆる手を尽くして捕獲に成功。自宅に連れ込む。初めは、狭い部屋で暴れるオオカミに命の危険を感じたものの、次第に“彼”と心を通わせるようになり、それと共に秘められていたアニアの欲望が露わになっていく。狼の虜になったアニアは、食事を用意し、同じ部屋で眠り、まるで恋人のように接し始める。次第に野性に取り込まれ、人間として常軌を逸脱した行動を見せ始めるアニア。その様子に戸惑う周囲の人々。しかし、ボリスはそんな彼女の変化に興味を示す。やがて、心の隙間を埋めるかのように、アニアはボリスと関係を持ってしまう。果たして、人と獣の狭間で生きるようになった彼女を待つ運命とは……。
「ワイルド わたしの中の獣」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ワイルド わたしの中の獣」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | ドイツ |
製作年 | 2016 |
公開年月日 | 2016年12月24日 |
上映時間 | 97分 |
配給 | ファインフィルムズ |
レイティング | R-15 |
カラー/サイズ | カラー |
公式サイト | http://www.finefilms.co.jp/wild/ |
コピーライト | (C)2014 Heimatfilm GmbH + Co KG |
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