解説
ヴェネチア国際映画祭で2部門を受賞するなど、各地の映画祭で高評価を得たインド製法廷ドラマ。下水清掃人の死体が発見され、歌が自殺に駆り立てたとして、年老いた民謡歌手が逮捕される。裁判では、複雑なインド社会に生きる人々の事情が絡み合い……。監督・脚本は、本作で長編デビューとなるインドの新鋭チャイタニヤ・タームハネー。主演のヴィヴェーク・ゴーンバルは、プロデューサーも兼ねている。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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批評家。音楽レーベルHEADZ主宰佐々木敦インドではこんな静かな映画も撮られているのだね。歌や芝居が出てくるのはボリウッドと同じなのに。非常に秀逸な設定の法廷劇。歌詞の扇動的な内容が下水清掃人に自死を唆... もっと見る
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映画系文筆業奈々村久生原告と被告が競う裁判において弁護士は役者であり、裁判官や陪審員という観客を説得するために緻密なシナリオを作り上げて自作自演する。法廷=ステージであり、ドラマとの... もっと見る
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TVプロデューサー山口剛プロテストソングを歌う老歌手が自殺を扇動したかどで裁判にかけられる。原題はCOURT、法廷劇であるが緊迫した弁論や劇的逆転などは全くなく、淡々と事実を追う描写は... もっと見る
「裁き」のストーリー
ある下水清掃人の死体が、ムンバイのマンホールの中で発見された。ほどなく、年老いた民謡歌手ナーラーヤン・カンブレ(ヴィーラー・サーティダル)が逮捕される。扇動的な彼の歌が、下水清掃人を自殺へと駆り立てたという容疑だった。こうして、不条理な理由で被告人となったカンブレの裁判が下級裁判所で始まる。理論的で人権を尊重する若手弁護士ヴィネイ・ヴォーラー(ヴィヴェーク・ゴーンバル)、100年以上前の法律を持ち出して刑の確定を急ぐ検察官ヌータン(ギータンジャリ・クルカルニー)、何とか公正に事を運ぼうとする裁判官サダーヴァルテー(プラディープ・ジョーシー)。さらには、偽証する目撃者や無関心な被害者の未亡人を始めとした証人たち……。インドの複雑な社会環境の中で、階級、宗教、言語、民族など、あらゆる面で異なる世界に身を置く彼らの個人的な生活と、法廷の中での一つの裁きが幾重にも重なってゆく……。
「裁き」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「裁き」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 社会派 ドラマ |
製作国 | インド |
製作年 | 2014 |
公開年月日 | 2017年7月8日 |
上映時間 | 116分 |
配給 | トレノバ |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
公式サイト | http://sabaki-movie.com/ |
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