解説
長編デビュー作「花に嵐」がPFFアワード準グランプリを受賞するなど注目を集める岩切一空の第2作。大学の映画研究会に所属する岩切は、4年に一度現れる“怪談の少女”の話を耳にする。その少女を主演に撮った映画は、必ず傑作になるというのだが……。出演は「雨粒の小さな歴史」の南実櫻、「イノセント15」の小川紗良。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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評論家上野昻志監督の岩切一空は、画面に映った顔、姿形が面白いから、本作の男優賞にとどまらず、役者としても生きていけそう。謎の美少女・南美櫻は、いかにもそれらしい表情そのままな... もっと見る
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映画評論家上島春彦出てくる女がいい。他はダメ。定型を分かっていない人が定型を外したって仕方がないでしょ。意味不明になるだけだ。真っ先に現れる先輩が鍵だとは分かるが、最後までちゃん... もっと見る
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映画評論家吉田伊知郎前作「花に嵐」の素晴らしさに感嘆した者としては、そこらの若手とは格が違う才気煥発な岩切に瞠目しつつ、前作との同工異曲ぶりに幅の狭さを感じる。商業性を意識した前作... もっと見る
「聖なるもの」のストーリー
大学の映画研究会に所属しながら、一本の映画も撮れないまま三年生になった岩切(岩切一空)は、先輩の橘(縣豪紀)が撮る新作の主演女優を探していたある日、同じく先輩の舞(半田美樹)から、4年に一度現れるという“新歓の怪談”を聞く。それは、“新歓合宿時に、黒くて長い髪、大きな目、透き通るような白い肌を持つ少女を見た者は、衝動的に映画を撮りたくなり、唯一、彼女に選ばれ、彼女を被写体に撮った映画は必ず大傑作になる”というものだった。だが、そこにはルールがあった。それは、“彼女のために脚本を書くこと”、“何があっても撮影を止めないこと”。さらにこの他、まだ誰も知らない三つ目のルールも存在するという。そして迎えた新歓合宿当日。岩切の目の前に現れる“怪談の少女”(南実櫻)。思わず“僕の映画に出てくれませんか?”と声を掛けてしまう。名乗らない彼女を、マンガから引用して“南”と名付ける岩切。こうして、自身の工房で特撮映画を準備していた優秀な後輩・小川(小川紗良)も巻き込み、“外の世界に憧れる少女の物語”の撮影が開始される。だが、あまりにシュールな設定や有り得ないセリフ回しなどについていけず、クルーたちは次第に違和感を覚え始める。それでも、何かに取りつかれたように撮影を続ける岩切。そしてその異変は、疑問を感じていた小川にも表れるようになり……。
「聖なるもの」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「聖なるもの」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 青春 ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2017 |
公開年月日 | 2018年4月14日 |
上映時間 | 90分 |
製作会社 | 2017「聖なるもの」フィルムパートナーズ |
配給 | SPOTTED PRODUCTIONS |
レイティング | |
アスペクト比 | 16:9 |
カラー/サイズ | カラー |
音量 | ステレオ |
公式サイト | http://seinarumono.com/ |
コピーライト | (C)2017「聖なるもの」フィルムパートナーズ |
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