解説
カルラ・シモン監督が自身の幼少期の体験を元に作り上げ、第67回ベルリン国際映画祭で新人監督賞を受賞するなど、世界中で高評価を受けたドラマ。病気で両親を亡くした少女フリダは、田舎で自給自足の生活を送る若い叔父夫婦の下で暮らすことになるが……。出演は、本作で映画初出演を飾ったライア・アルティガス、本作でゴヤ賞助演男優賞を受賞したダビ・ベルダゲル、同じくゴヤ賞助演女優賞を受賞したブルーナ・クシ。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
母親が亡くなって、親戚の家に引き取られるところから映画が始まる。どうも母親の死因がエイズらしい。原題からすると時代設定は1994年らしい。父親の死因はわからなかった。
引き取られてからの主人公フリダの両親を亡くした哀しみ、親戚の家になじもうとする努力、自分がでも家族の一員ではないという疎外感、大人はその感情をわかってくれない、そんないろいろと混ざった感情を、微妙な心の動きをフリダ役のライア・アルティガスの少女が見事に演じている。親戚のおじさん、おばさんも彼女に対して優しいのだが、でも本当の自分の娘とは違う。その思いがついついでてしまう。フリダが、おじさん、おばさんをパパ、ママといわなければいけない。フリダがかわいそうで、可愛くて本当に泣けてしまう。そして健気。
エンドクレジットを観ていると最後に謝辞が出てくる。これは監督の実話じゃないか、とネットで調べると、公式ホームページで監督の体験も含まれているとのこと。
監督カルラ・シモンは一目置いておいていいんじゃない。
「悲しみに、こんにちは」のストーリー
フリダ(ライア・アルティガス)は、荷物がダンボールに詰められるのを静かに見つめていた。その姿は、まるで母親が最後に残していった置物のようだ。“ある病気”で両親を亡くし、1人になった彼女は、バルセロナからカタルーニャの田舎へ引っ越し、若い叔父夫婦の下で暮らすこととなる。だが、フリダは母親の入院中、祖母たちに甘やかされて育てられてきた都会っ子。田舎で自給自足の生活を送る叔父エステバ(ダビ・ベルダゲル)と叔母マルガ(ブルーナ・クシ)、幼い従妹のアナ(パウラ・ロブレス)は、彼女を家族の一員として温かく迎え入れたものの、新しく家族として暮らすには、互いに時間がかかり……。
「悲しみに、こんにちは」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「悲しみに、こんにちは」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | スペイン |
製作年 | 2017 |
公開年月日 | 2018年7月21日 |
上映時間 | 100分 |
配給 | 太秦=ノーム |
カラー/サイズ | カラー |
公式サイト | http://kana-shimi.com/ |
コピーライト | (C)2015, SUMMER 1993 |
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