バルバラ セーヌの黒いバラ
ばるばらせーぬのくろいばら BARBARA
解説
1950年代から活躍したフランスの伝説的歌手バルバラを主人公にした映画の製作に情熱を注ぐ主演女優と映画監督の姿を描いたドラマ。バルバラを演じる女優ブリジットと監督のイヴは、それぞれのやり方で謎に満ちたバルバラの生涯に迫っていくが……。主演のジャンヌ・バリバールは、本作でセザール賞主演女優賞を受賞。「ダゲレオタイプの女」のマチュー・アマルリックが監督・脚本・出演の3役を兼任している。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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「バルバラ セーヌの黒いバラ」のストーリー
パリのスタジオでは、フランスを代表する国民的シャンソン歌手バルバラを描く映画の撮影準備が進んでいた。主演のブリジット(ジャンヌ・バリバール)は役作りのため、撮影期間中は用意された住まいにグランドピアノを準備。その部屋は映画のセットそっくりに仕立てられていた。スタッフから“脚本は日々変わる”と言われれば、“わたしも変わる”と答えるブリジット。彼女は憑かれたようにバルバラの仕草や表情を真似ていく。わずかな口角のあげ方、手先の動き、特徴のある歌声……。やがて、誰も演じることができないと言われた伝説の歌手が、カメラの前に姿を現す……。一方、監督のイヴ(マチュー・アマルリック)は、バルバラが歌ったキャバレーや劇場での証言を集め、その人生に踏み込んでいく。少年の頃に出会った彼女の曲に救われた経験があるイヴは、映画監督という立場を超え、ブリジットが演じるバルバラに憑りつかれ、自分を見失っていく。そして、イヴ以上に、バルバラと化していくブリジット。自分の人生を歩んでいるのか、それともバルバラの人生を歩んでいるのか……。撮影される映画は、バルバラを描いているのか、あるいは別の誰かの人生なのか……。スクリーンのこちら側にいる観客すらも、その境界線に惑わされ、バルバラなのか、ブリジットなのか、もはや曖昧になった2人の人生の輪郭を追体験することになる。その生涯はツアーの連続で、自分の家を持たなかったバルバラは、映画の最後にこう語る。“ステージは、わたしの船”。 愛を求め、しかしその愛に苦しんだ永遠の旅人バルバラ。彼女の名曲は永遠に色褪せることなく、今日もどこかで流れている。そしてそれは、バーのカウンターで泣く男の耳にも届くのだった……。
「バルバラ セーヌの黒いバラ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「バルバラ セーヌの黒いバラ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ラブロマンス 伝記 ドラマ |
製作国 | フランス |
製作年 | 2017 |
公開年月日 | 2018年11月16日 |
上映時間 | 99分 |
配給 | ブロ-ドメディア・スタジオ |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
公式サイト | http://barbara-movie.com/ |
コピーライト | (C)2017 - WAITING FOR CINEMA - GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA – ALICELEO |
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