金子文子と朴烈(パクヨル)

かねこふみことぱくよる ANARCHIST FROM COLONY
上映日
2019年2月16日

製作国
韓国

制作年
2017
上映時間
129分

レーティング
PG-12
ジャンル
伝記 歴史劇 ドラマ

check解説

大正期の日本に実在した無政府主義者・朴烈と金子文子の愛と闘いを活写する歴史ドラマ。1923年、関東大震災直後に広がった噂をきっかけに、日本政府は朝鮮人青年・朴烈と彼の同志で恋人の金子文子を逮捕。大逆罪で起訴された二人は歴史的な裁判に身を投じていく。出演は「探偵ホン・ギルドン 消えた村」のイ・ジェフン、「空と風と星の詩人 尹東柱(ユンドンジュ)の生涯」のチェ・ヒソ、「アイアムアヒーロー」の山野内扶、「朝日のあたる家」の金守珍。脚本を「私は王である!」のファン・ソング、音楽を「監獄の首領」のパン・ジュンソクが務める。監督は「ソウォン 願い」のイ・ジュンイク。第13回大阪アジアン映画祭にて「朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト」のタイトルでオープニング上映。
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この作品のレビュー

映画専門家レビュー

  • 批評家、映像作家
    金子遊
    今年一番の衝撃作の登場。戦争で300万人の命が失われた日本では、誰もが戦後に被害... もっと見る
  • 映画評論家
    きさらぎ尚
    映画に描かれる隠蔽のメカニズム。いまだから、主題の主人公ふたりの愛と闘いとは別の... もっと見る
  • 映画系文筆業
    奈々村久生
    金子文子を演じたチェ・ヒソがとにかく魅力的。幼少期に日本に住んでいた経験もあり、... もっと見る

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     YouTubeの日本史で二二六事件を観ていた時に、金子文子と朴烈の写真の話が出てきてこの二人の名前を知りました。それまでこの二人のことは知りませんでした。それでこの映画のタイトルを観て、ほほう!とおもい観ました。まあ、KINENOTEの評価が高かった為もありますが。
     大杉栄や与謝野晶子、幸徳秋水、小林多喜二みたいに反政府活動や天皇制反対の組織に対する弾圧で捕まったのかと思っていたら、ウェキ先生の話ではそうでも無いらしい。無政府主義活動をしていたことは確からしいが、ほんの小さな組織として動いていたに過ぎない。どこかの単独の小さな仲良し会みたいな物じゃないか。映画では、関東大震災後の朝鮮人大虐殺を隠蔽するために捕まえた、となっている。事実はなんで捕まったのか判らない。本当に朝鮮人大虐殺の隠蔽工作だったのかもしれない。
     映画の出だし、なかなかセットもよく出来ているし、お金をかけているなあ、と思った。しかし、観進めているうちに、絶体違うよな、と違和感だらけの映画だった。
     映画は韓国製作で、出演者も日本人役の半分近くが韓国人が演じている。確かに日本語が上手だが、ところどころ発音が変なのが判る。
     それよりも、水野男爵が朝鮮人に対する異常な嫌悪から朝鮮人殺しを正当化している様に描かれる。総理大臣や司法大臣をも黙らせる様なずる賢い人間として描かれる。いくら何でもそこまで権力は持てないでしょう。何でも天皇に結びつけているが、たかだか朝鮮人の小さなサークルを目の敵にするほどでもないのでは。確かに朴烈が皇太子暗殺計画をほのめかしたことで、大逆罪で死刑判決を受けてはいるのだが、妄想家が壮大な嘘をついているとしか見えない。また、検事との取り調べも、あれは無いよ。検事が被告側に手の内を明かしていく様な、そんなバカなことがあるわけ無いでしょ。最も、金子と朴烈の二人が写っている写真が逮捕後であることから問題にはなっているんだけど。それは、彼を大逆罪として起訴するためにアメを与えたからでは無いか。この映画では被告人達が主導権を取っている様に描かれている。また、獄中の態度もおかしいでしょ。元気溌剌だよ。そして裁判中の金子と朴烈の態度もあれは無いでしょ。もしあの通りだったら法廷侮辱罪で被告人抜きでの裁判となっているでしょ。
     韓国映画だから、金子と朴烈をヒーロー、ヒロインの様に、日本人を間抜けな様に描きたかったのでしょうが、それでは真実味が一気に吹き飛んでしまう。まあ、韓国国内だったら受けるかもしれないけど。もっとシリアスに描くべきだった。
     そうそう、ウェキ先生によると、朴烈は何度も思想転向しているそうだよ。そこまで描いてみたら?

「金子文子と朴烈(パクヨル)」のストーリー

1923年、東京。社会主義者たちが集う有楽町のおでん屋で働く金子文子(チェ・ヒソ)は、『犬ころ』という詩に心を奪われる。詩を書いたのは朝鮮人アナキストの朴烈(イ・ジェフン)。出会ってすぐに彼の強靭な意志とその孤独に共鳴した文子は、唯一無二の同志、そして恋人として共に生きる事を決めるのだった。そんななか、ふたりの発案により日本人や在日朝鮮人による「不逞社」を結成。だが同年9月1日、日本列島を襲った関東大震災により、ふたりの運命は大きなうねりに巻き込まれていく。内務大臣・水野錬太郎(キム・インウ)を筆頭に、日本政府は震災による人々の不安を鎮めるため、朝鮮人や社会主義者らを無差別に総検束。朴烈や文子たちも検束され、社会のどん底で生きてきたふたりは、社会を変えるため、そして自分たちの誇りのために獄中で闘う事を決意する。やがてその闘いは韓国にも広まり、多くの支持者を得ると同時に、日本の内閣を混乱に陥れていく。しかし、国家を根底から揺るがす歴史的な裁判に身を投じていくふたりには、過酷な運命が待ち受けていた……。

「金子文子と朴烈(パクヨル)」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「金子文子と朴烈(パクヨル)」のスペック

基本情報
ジャンル 伝記 歴史劇 ドラマ
製作国 韓国
製作年 2017
公開年月日 2019年2月16日
上映時間 129分
配給 太秦
レイティング PG-12
カラー/サイズ カラー
音量 5.1ch
公式サイト http://www.fumiko-yeol.com/
コピーライト (C)2017, CINEWORLD & MEGABOX JOONGANG PLUS M , ALL RIGHTS RESERVED

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