映画の予告編では映画の内容は伝わらなかったな。原題の「The High Note」の直訳でも、少なくとも日本では映画の内容はわからないな。
映画を観ていて知ったことは、今の音楽の作り方があんな全てデジタル処理して作っているんだと言うこと。これは私が知らないだけで今では常識なのかもしれないけど。そして、もう新曲も出していない歌手達もかつてヒットした歌を歌い続けて食っていけるんだと言うこと。これは先日観た「Dear ダニー 君へのうた」でもそうだったから、アメリカでは当たり前のことなんだ。日本でも演歌歌手はヒット曲があれば食っていけると言われるけど、ポップスでは食っていけないよな。そしてラスベガスでのショーというのは昔売れた歌手達のたまり場ということ。エルビスの頃はそうじゃなかったと思いたいけど。
音楽があんな風に出来ているんだ、と判って少し興ざめした。昔のアナログ、アコースティックなのがいいのに。それに登場人物がそれなりに金持。主人公のマギー(ダコタ・ジョンソン)も往年の歌手グレース(トレイシー・エリス・ロス)のプライベートな雑用係でそこそこの生活をしている。アメリカの底辺ってこんな物じゃないんだけどなあ。この映画は経済的に中流以上の人達のお話だ。それにマギーがプライベートでプロデュースしようとしているデヴィッドもあんな豪華な家に住んでいるし(これは後にわかるのだが)。
ストーリーは中盤まではマギーがグレースの世話をしながらなんとかデヴィッドを売り出そうとして、グレイスの仕事をミスしてクビになる。後半、失意の内に父親のいる田舎に戻る。で、なんだかんだでグレイスがマギーを尋ねてきて、さらにあら偶然!デヴィッドも尋ねてきて、あらら、と言う結末。まあ、できすぎの展開だよね。それでも後半は楽しかったから良いか。
主演のダコタ・ジョンソンって、ドン・ジョンソンとメラニー・グリフィスの娘だって。お母さん似か可愛いね。トレイシー・エリス・ロスって母親がダイアナ・ロス。そしてマネージャー役のアイス・キューブは息子もラッパーを継いでいるとか。映画の内容と出演者の来歴が重なっている。そりゃあ皆楽しく作るよね。