犬は歌わない

いぬはうたわない SPACE DOGS
上映日
2021年6月12日

製作国
オーストリア ドイツ

制作年
2019
上映時間
91分

ジャンル
社会派

check解説

東西冷戦時代のソ連で、人間の宇宙飛行が可能か検証するため宇宙空間へ送り出された犬のライカを軸に、人間と犬との間の現実を映し出すドキュメンタリー。アーカイブ映像と地上の犬目線で撮影された映像を通し、犬を取り巻く社会のエゴや理不尽な暴力を描く。監督は、ドキュメンタリー作品を手がけてきたオーストリア出身のエルザ・クレムザーとドイツ生まれのレヴィン・ペーター。2019年ロカルノ国際映画祭にてヤング審査員特別賞、フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼント部門ISPEC 特別賞を受賞。
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この作品のレビュー

映画専門家レビュー

  • 非建築家、美術家、映画評論、ドラァグクイーン、アーティスト
    ヴィヴィアン佐藤
    人間の文明支配の外で生きる野良犬たち。文明社会からの彼らへの網羅は、私達自身に対して罪悪感を伴った何物かを提起し続ける。これは犬ではなく、人間の本質に関する作品... もっと見る
  • フリーライター
    藤木TDC
    原題でもある「宇宙犬」は幻想的なモンタージュだけ、正味は野良犬を被写体にしたダイレクトシネマ(観察映画)。何も考えてないかのような犬に無言でカメラを向け続けるか... もっと見る
  • 映画評論家
    真魚八重子
    今まで映画を観てきた人生の中で、もっとも正視に耐えない作品だった。元々宇宙恐怖症気味で、ライカの話はあまりにゾッとするので耳を塞ぐようにしてきたせいもある。冒頭... もっと見る

「犬は歌わない」のストーリー

東西冷戦ただ中の1950年代、ソビエト連邦は宇宙開発に向けて様々な実験を繰り返していた。人間の宇宙飛行が可能か検証するために数十回に渡り犬を宇宙空間へと送ったスペース・ドッグ計画もその一つ。1957年、モスクワの街角を縄張りにする野良犬だったライカは人工衛星スプートニク2号に乗せられ、地球生まれの生物として初の軌道飛行を達成。しかし彼女は生きて戻ることはなかった。死因は諸説あるが、打ち上げ後のストレスと高熱が有力視されている。時が移り、モスクワの犬たちは今日も苛酷な現実を生き抜いていた。街には、ライカは霊として地球に戻り、彼女の子孫たちと共に街角をさまよっている、という都市伝説が生まれていた。宇宙開発、エゴ、理不尽な暴力、……犬を取り巻くこの社会を、ソ連の宇宙開発計画のアーカイブと地上の犬目線で撮影された映像により映し出す。

「犬は歌わない」の映像

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スタッフ
キャスト役名

「犬は歌わない」のスペック

基本情報
ジャンル 社会派
製作国 オーストリア ドイツ
製作年 2019
公開年月日 2021年6月12日
上映時間 91分
製作会社 Raumzeitfilm Produktion=It Works Medien
配給 ムーリンプロダクション
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
音量 5.1ch
公式サイト https://moolin-production.co.jp/spacedogs/
コピーライト (C) Raumzeitfilm

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