土を喰らう十二ヵ月

つちをくらうじゅうにかげつ
上映日
2022年11月11日

製作国
日本

制作年
2022
上映時間
111分

レーティング
一般映画
ジャンル
ドラマ

check解説

水上勉による料理エッセイを原案に「ナビィの恋」の中江裕司監督が沢田研二主演で映画化。長野の山荘で犬一匹と暮らす作家のツトムは、山の実やきのこを採り、季節の移ろいを感じながら原稿をしたためる日々。だが13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいた。共演は「ラストレター」の松たか子、「青葉家のテーブル」の西田尚美。原案エッセイの中に登場する豪快にして繊細な料理を再現したのは、料理研究家の土井善晴。2022年第96回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞受賞。
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この作品のレビュー

映画専門家レビュー

  • 脚本家、映画監督
    井上淳一
    四季の移ろいと食が丁寧に綴られる。魅力的だが、高齢者の「リトル・フォレスト」だったらイヤだなと頭を掠める。しかし、地続きで死が訪れる。義母が孤独死し、沢田研二も... もっと見る
  • 日本経済新聞編集委員
    古賀重樹
    世にグルメ映画は数あるが、この映画がそれらと決定的に違うのは料理のハウツーではないということ。芋やゴマ、セリやコゴメ、ナスやキュウリ、タケノコや山椒といった食材... もっと見る
  • 映画評論家
    服部香穂里
    愛妻亡き後も、自ら育てた食材の素朴な持ち味を生かした手料理を振る舞い、見事な食いっぷりの若い恋人の訪問に心躍らせる初老の作家の山での暮らしが、男のロマンを凝縮さ... もっと見る

「土を喰らう十二ヵ月」のストーリー

立春。作家のツトム(沢田研二)は犬のさんしょ、そして13年前に亡くなった妻の八重子の遺骨と共に人里離れた信州の山荘で暮らしている。口減らしのため禅寺に奉公に出され、9歳から精進料理を身に着けた彼にとって、畑で育てた野菜や山で収穫する山菜などで作る料理は日々の楽しみのひとつであった。とりわけ、担当編集者で恋人の真知子(松たか子)が東京から訪ねてくるときは、楽しさが一段と増す。皮を少し残して囲炉裏であぶった子芋を頬張る真知子。そんな彼女の喜ぶ姿にツトムは嬉しさを隠しきれない……。立夏。山荘から少し離れたところに、八重子の母チエ(奈良岡朋子)が畑を耕しながらひとりで暮らしている。ツトムが時折様子を見にいくと、チエは山盛りの白飯、たくあん、味噌汁でもてなす。だが八重子の墓をまだ作っていないことを、今日もチエにたしなめられるのだった。自家製の味噌を樽ごとと、八重子の月命日に供えるぼた餅を持たされ、ツトムは帰路につく……。小暑。塩漬けした梅を天日干しにする季節。ツトムが世話になった禅寺の住職の娘・文子(檀ふみ)が山荘を訪ねる。住職に習った梅酢ジュースを飲みながら昔話をするふたり。文子は、亡き母が60年前に住職と一緒に漬けた梅干しを持参。「母は、もしツトムさんに会うたらお裾分けしてあげなさい、と言うて死にました」と文子。その夜、ツトムは作った人が亡くなった後も生き続けている梅干しの味にひとり泣く……。処暑。チエが亡くなった。義弟夫婦(尾美としのり、西田尚美)に頼まれて山荘で葬式を出すことになったツトム。大工(火野正平)に棺桶と祭壇、写真屋(瀧川鯉八)には遺影を頼み、通夜の支度に大忙しだ。東京から真知子もやって来て、通夜振る舞いの支度を手伝うことに。夜、思いがけなく大勢集まった弔問客は、チエに作り方を習ったそれぞれの味噌を祭壇に供える。葬儀のあと、真知子を栗の渋皮煮で労ったツトムは、「ここに住まないか」と持ち掛ける。「ちょっと考えさせて」と応じた真知子だが、しばらくしてふたりの心境に変化を生じさせる出来事が起こる……。

「土を喰らう十二ヵ月」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「土を喰らう十二ヵ月」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 2022
公開年月日 2022年11月11日
上映時間 111分
製作会社 『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会(日活=バップ=読売新聞社=信濃毎日新聞社=日販=スターキャット=二見書房=スモーク)(制作:オフィス・シロウズ)
配給 日活
レイティング 一般映画
アスペクト比 ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
音量 5.1ch
公式サイト https://tsuchiwokurau12.jp/
コピーライト (C)2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会

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