愛の狩人

あいのかりうど Carnal Knowledge
上映日
1972年1月22日

製作国
アメリカ

制作年
1971
上映時間
97分

ジャンル
ラブロマンス 青春 ドラマ

check解説

対照的なタイプの2人の男の、それぞれめぐりあう女性との肉体関係を通して青春の愛と性の矛盾を衝く。製作総指揮はジョゼフ・E・レビンとクライヴ・リード、製作・監督はマイク・ニコルズ、脚本はジュールス・ファイファー、撮影はジュゼッペ・ロトゥンノ、美術はリチャード・スィルバートが各々担当。出演はジャック・ニコルソン、キャンディス・バーゲン、アーサー・ガーファンクル、アン・マーグレット、リタ・モレノ、シンシア・オニールなど。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • 89bubble93

  • ミャーノフ大佐

     公開時、映画雑誌で紹介されていたことを憶えている。監督のマイク・ニコルズは「バージニア・ウルフなんかこわくない」、「卒業」で注目されていた監督だから、その後の「キャッチ22」や本作も注目を集めていたと記憶している。ただ、当時は観ていない。
     画面の構図は、カメラマンは違うのに「卒業」に似ているところが随所に出ている。ジョナサン(ジャック・ニコルソン)とサンディ(アート・ガーファンクル)の学生時代から20年間の友情を描いている、といえば間違いだろうなあ。どちらかというと、心理劇?哲学的?、男と女の性に対してのテーゼとアンチテーゼ?原題「Carnal Knowledge」だから性的なテーマではあるんだろうなあ。邦題つけるのに苦労したろうなあ。「愛の狩人」か。あながち間違いでもないか。なんとなく言いたいことは判るような気もするんだけど...。観客に理解してもらえるかなあ。
     キャンディス・バーゲンがクレジットで2番目に出てくるけど、登場シーンは前半1/3くらい。リタ・モレノもほんのちょっとだけの出演。やっぱりアン=マーグレットの登場シーンが存在感あるね。ゴールデン・グローブの助演女優賞取っただけある。きちんと裸になって、豊満な体を見せてくれた。ジャック・ニコルソンはもうこの頃から癖のある役を演じていたんだ。顔が顔だけに、なのかな。
     映画の始めの方でアート・ガーファンクルがキスしながらキャンディス・バーゲンの胸を触るシーン、映画雑誌で誰かが評論していた。で、この映画観たことないはずなんだけど、映画の最後の方でジョナサンがサンディとサンディの彼女にスライドを見せているシーン、キャンディス・バーゲンのスライドをすぐに飛ばすカット、憶えているんだよなあ。ひょっとして観たことあるのかな。
     マイク・ニコルズは若い頃は良い映画撮っていたのに、混迷の時期を経てプログラムピクチャー監督になってしまった。「ワーキング・ガール」はそこそこヒットしたけど、「心の旅」なんか誰が撮っても良かったし、「ウルフ」なんかはどうでも良い映画だった。正直マイク・ニコルズもここまで来てしまったか、という思いだった。

「愛の狩人」のストーリー

ニューイングランドにある大学の寮のルームメイト、ジョナサン(ジャック・ニコルソン)とサンディ(アーサー・ガーファンクル)の話題はやはり、女性に関することが多くを占め、しかも2人は性に対して全く好対照の考えを持っていた。サンディは青春に素朴な夢を抱くロマンチストで、逆にジョナサンは女は肉体がすべてと割り切るニヒリストである。ある秋の夜、近くの女子大とのパーティーに出席したサンディは、校内一の美人スーザン(キャンディス・バーゲン)に一目惚れしてすっかり夢中になってしまった。デートの様子を逐一報告するサンディに、ジョナサンのよからぬ欲望がむっくり頭をもたげた。うまくスーザンを誘い出したジョナサンはやすやすと彼女をおとしめた。そうとは知らぬサンディは、聡明なスーザンにますますのぼせあがり、ある夜、ようやく彼女をくどき落とすことに成功した。スーザンは2人の共通の恋人となった。初めはただの情事の相手としてスーザンを扱っていたジョナサンもいつしか彼女を深く愛するようになり、スーザンは2人の愛のどちらかを選ばねばならなくなった。哀願するジョナサンを振り捨て、スーザンはサンディと結婚した。それから数年、ジョナサンもサンディも税理士と医師と立場は違っても、ともに経済的には恵まれた社会人であった。幸福な家庭を築くサンディに対し、ジョナサンは飽くことなく情事の相手を求め、今はTVのCM女優ボビー(アン・マーグレット)と同棲していた。ボビーはジョナサン好みのすごいグラマー美人だが、やはり女、お定まりの結婚を迫り、自殺未遂をやって、とうとうさすがのジョナサンも屈してしまった。サンディもようやく平穏な生活に疑問を持ち始め、今はシンディ(シンシア・オニール)を情事の相手としていた。やがてジョナサンはボビーと離婚しまた独りとなって、果てしない心の旅路をさまよい歩き、サンディもまた、家庭の幸福から弾き出されたように、肌寒い夜の町を遊び歩くようになった。すでにすっかり若さを失ったジョナサンは不能に陥り、今の相手といえば、ニューヨークの裏町のアパートに住む娼婦ルイーズ(リタ・モレノ)だけだった。

「愛の狩人」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「愛の狩人」のスペック

基本情報
ジャンル ラブロマンス 青春 ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1971
公開年月日 1972年1月22日
上映時間 97分
製作会社 ジョセフ・E・レビン・プロ作品
配給 ブエナ ビスタ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ

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